「VMware Horizon」と「Azure Virtual Desktop」で悩んだときの決め手はこれだ2大VDIを徹底比較【後編】

Omnissaの「VMware Horizon」シリーズとMicrosoftの「Azure Virtual Desktop」のどちらを採用するかは難しい問題だ。何に注目し、どのように考えればいいのか。

2024年11月25日 07時00分 公開
[Rob BastiaansenTechTarget]

 半導体ベンダーBroadcomは、仮想化ベンダーVMwareを買収した後、投資会社のKKRにVDI(仮想デスクトップインフラ)製品を含むVMwareのエンドユーザーコンピューティング(EUC)部門を売却した。2024年5月、新会社OmnissaがKKRからVMwareのEUC部門を引き継ぎ、独立した。

 OmnissaのVDI製品「VMware Horizon」シリーズと、MicrosoftがクラウドサービスでVDIを提供する「DaaS」(Desktop as a Service)形式の「Azure Virtual Desktop」(以下、AVD)は共にさまざまなユーザー企業が使用している。これから利用を検討するユーザー企業は、何を決め手として選べばいいのか。

HorizonシリーズとAVD、両者の決め手は?

 MicrosoftのAVDとOmnissaのHorizonシリーズには、技術的観点からさまざまな類似点がある。

 ただしAVDはクライアントOS「Windows」とサーバOS「Windows Server」でのみ仮想デスクトップが作動するのに対して、HorizonシリーズはWindowsとWindows Server、そしてOS「Linux」でも動作する。

 Linuxは研究者が広く使用しているOSであり、学術分野の組織はこの点でHorizonシリーズを採用する可能性がある。ホストするOSという観点では、Omnissaの方がMicrosoftよりもオープンと言える。

 Omnissaは新しい会社だが、製品は20年以上の歴史を持つVMware製品であり、成熟している。AVDは比較的新しい独自の技術であるが、法人向け市場で確固たる地位を築いている。

 Windowsおよび「Microsoft Azure」の管理の経験がある管理者がいる組織にとっては、AVDの導入が適している。Omnissaが提供するDaaSの「Horizon Cloud Service」はクラウドサービス群「Microsoft Azure」で展開できるため、システム管理者にとっては選択肢の一つだ。

 オンプレミスへの展開を希望するユーザーで、既にサーバ仮想化製品群「VMware vSphere」を使用しているなら、Horizonシリーズが適していると言える。VMwareはHorizonシリーズをオンプレミスで動作する製品として開発しており、既存のオンプレミスインフラと統合するための設計ガイドラインやソフトウェアを用意しているからだ。

 最終的に、各組織がどちらを選択するかは、既に使用しているソフトウェアやITインフラ、管理者の経験に基づいて決定すべきだ。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news191.jpg

Omnicomが Interpublic Groupを買収 世界最大級の広告会社が誕生へ
OmnicomがInterpublic Group(IPG)を買収する。これにより、世界最大の広告会社が誕生し...

news110.jpg

インテントデータ×キーエンス出身者のノウハウで実現 ABMを先に進める最先端の営業手法とは?
ユーソナーとGrand Centralは提携し、営業売り上げ拡大のためのBPOパッケージを提供開始...

news061.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2024年12月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...