Omnissaの「VMware Horizon」シリーズとMicrosoftの「Azure Virtual Desktop」のどちらを採用するかは難しい問題だ。何に注目し、どのように考えればいいのか。
半導体ベンダーBroadcomは、仮想化ベンダーVMwareを買収した後、投資会社のKKRにVDI(仮想デスクトップインフラ)製品を含むVMwareのエンドユーザーコンピューティング(EUC)部門を売却した。2024年5月、新会社OmnissaがKKRからVMwareのEUC部門を引き継ぎ、独立した。
OmnissaのVDI製品「VMware Horizon」シリーズと、MicrosoftがクラウドサービスでVDIを提供する「DaaS」(Desktop as a Service)形式の「Azure Virtual Desktop」(以下、AVD)は共にさまざまなユーザー企業が使用している。これから利用を検討するユーザー企業は、何を決め手として選べばいいのか。
MicrosoftのAVDとOmnissaのHorizonシリーズには、技術的観点からさまざまな類似点がある。
ただしAVDはクライアントOS「Windows」とサーバOS「Windows Server」でのみ仮想デスクトップが作動するのに対して、HorizonシリーズはWindowsとWindows Server、そしてOS「Linux」でも動作する。
Linuxは研究者が広く使用しているOSであり、学術分野の組織はこの点でHorizonシリーズを採用する可能性がある。ホストするOSという観点では、Omnissaの方がMicrosoftよりもオープンと言える。
Omnissaは新しい会社だが、製品は20年以上の歴史を持つVMware製品であり、成熟している。AVDは比較的新しい独自の技術であるが、法人向け市場で確固たる地位を築いている。
Windowsおよび「Microsoft Azure」の管理の経験がある管理者がいる組織にとっては、AVDの導入が適している。Omnissaが提供するDaaSの「Horizon Cloud Service」はクラウドサービス群「Microsoft Azure」で展開できるため、システム管理者にとっては選択肢の一つだ。
オンプレミスへの展開を希望するユーザーで、既にサーバ仮想化製品群「VMware vSphere」を使用しているなら、Horizonシリーズが適していると言える。VMwareはHorizonシリーズをオンプレミスで動作する製品として開発しており、既存のオンプレミスインフラと統合するための設計ガイドラインやソフトウェアを用意しているからだ。
最終的に、各組織がどちらを選択するかは、既に使用しているソフトウェアやITインフラ、管理者の経験に基づいて決定すべきだ。
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