Googleが「Google Workspace」の価格を改定し、一部のプランで「Gemini」を追加料金なしで使えるようにした。この動きは競合のMicrosoftにとってむしろチャンスになり得ると、ある専門家は指摘する。その理由は。
Googleは2025年1月16日(現地時間)、オフィススイート「Google Workspace」のユーザー向けにAI(人工知能)アシスタント「Gemini」の料金を値下げすると発表した。
従来、Google Workspaceのプラン「Business Standard」のユーザーがGeminiを使う場合、アドオン(拡張機能)を追加購入しなければならず、合計で月額32ドルを支払う必要があった。Business Standardの新規ユーザーは、Geminiを含むGoogle Workspaceの全機能を月額14ドルで利用できる。2025年3月17日以降、既存ユーザーの料金も改定する。
Googleの大幅な値下げは、Microsoftにも影響を及ぼす可能性がある。Microsoftがオフィススイート「Microsoft 365」向けに提供しているAIアシスタント「Microsoft 365 Copilot」は、月額30ドルと高い。ただし一部の専門家は、むしろMicrosoftにとって好機になると予測している。その理由は。
Googleの値下げはMicrosoftに価格改定を促すことになると、調査会社Forrester ResearchのJ.P・ゴウンダー氏(バイスプレジデント兼プリンシパルアナリスト)は予測する。Microsoft 365 Copilotの値下げは、ユーザー企業にCopilotを試す機会をもたらし、シェア拡大につながる可能性がある。
「Copilotは組織に深く浸透していない。ユーザー企業の社内でCopilotを使えているのは一部の従業員だけだ」とゴウンダー氏は指摘する。同氏が140社以上の企業を調査したところ、大半の企業はCopilotのライセンスを全社ではなく一部の従業員にのみ付与していた。
AIアシスタントは費用対効果(ROI)の測定が難しく、導入のハードルになっている。しかし価格が下がれば、ハードルが低くなる可能性がある。
Microsoft 365からGoogle Workspaceへの移行は容易ではない。組織の個別のニーズを満たすためにカスタマイズしたMicrosoft 365 Copilotの機能を、Google Workspaceに移行することは特に難しい。Microsoft 365のユーザー企業が一部の従業員だけにGoogle Workspaceを導入すれば、管理が複雑になる恐れもある。
「Googleが移行ツールを充実させたり価格を下げたりしても、依然として移行は難しい」とゴウンダー氏は指摘する。
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