IT分野ではメールの送信など外部インフラへのデータ転送はエグレス(Egress)と表現することがある。意図しないエグレスの発生はセキュリティの問題がある。どのようなエグレスが問題になるのか。
IT分野では、外部インフラへのデータ転送を「エグレス」(Egress)と表現することがある。外部へのメール送信などもエグレスの例だ。意図しないエグレスは転送料金が掛かるだけでなく、データの漏えいによってセキュリティ上の問題が発生することがある。エグレスの観点から意図しないエグレスを引き起こす行動を解説する。
ハッカーや悪意のある攻撃者は、データを不正に入手しようと、攻撃をますます巧妙化している。データ漏えいや窃取の手口を以下に挙げる。
無害なプログラムを装う「トロイの木馬」など、システムに侵入しバックドア(侵入口)を作成するタイプのマルウェアは、外部から閉域網、もしくはプライベートネットワークにデータを転送する「イングレス」(Ingress)の形でシステムに侵入する。データを暗号化して所有者から身代金を要求するランサムウェア(身代金要求型マルウェア)も同様だ。
攻撃者は、IDやパスワードなどの機密情報や、個人情報を入手しようとして、メール、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)といった通信手段を使い、個人を騙すソーシャルエンジニアリング(人の心理的な隙を狙う攻撃手法)を仕掛ける。
攻撃者は情報を入手したら、組織に対して何らかの形で不正使用する。フィッシング攻撃では、攻撃者は緊急だと言ったり、感情に訴えたりしてターゲットから重要な情報を引き出そうとする。
DoS(サービス拒否)攻撃やDDoS(分散型サービス拒否)攻撃は、不正なトラフィックを大量に送りつけ、ネットワーク処理を遅くしたり使用不能にしたりする。DOS攻撃をサーバやネットワークが受けると過負荷状態となり、正常なサービスを提供できなくなる。場合によっては使用不可能になる。
データを適切に暗号化していないと、攻撃者は転送中のデータを傍受して盗み出せてしまう。
ネットワークの認証情報にアクセスできる従業員が、会社のポリシーに違反して機密データを盗み出すことがある。これも不正なエグレスに該当する。
次回はエグレス料金について解説する。
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