UX向上の“魔法の手法”「RUM」 行動監視がユーザー体験を高める?リアルユーザーモニタリング(RUM)とは【前編】

Webサイトやアプリケーションの応答が遅いと、ユーザーの離脱につながる恐れがある。その予防策の一つは「リアルユーザーモニタリング」(RUM)の実施だ。RUMとは何か。

2025年06月24日 06時00分 公開

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顧客満足 | インフラ | Webサイト


 ユーザー向けのWebサイトやアプリケーションを運用する組織にとって、快適なユーザー体験(UX)を提供し、顧客満足度を高めることは重要な課題だ。WebサイトやアプリケーションのUXに関する問題を特定する方法として、ユーザーの行動をリアルタイムで監視する「リアルユーザーモニタリング」(RUM)という手法がある。RUMとは何か。その仕組みとメリットを解説する。

RUMの仕組みやメリットを解説

 Webサイトやアプリケーションの応答が遅かったり問題が多発したりすると、ユーザー体験が悪化し、ユーザーがそのWebサイトやアプリケーションから離れる恐れがある。RUM はそういったユーザー体験に関する問題点を特定する手法だ。RUMは一般的に、コンテンツ配信の高速化ツール「CDN」(コンテンツデリバリーネットワーク)ができるだけ小さいレイテンシ(遅延)でユーザーにコンテンツを配信できているかどうかを確認するために使われる。Webサイトやアプリケーションの開発者がユーザーに期待される動作を検証するためにRUMを使うケースもある。

RUMのメリットは

 RUMは、Webサイトやアプリケーションを利用しているユーザーがどんな操作をしているのかを観察、記録する。あらかじめ決めたメトリクス(指標)に従って、パフォーマンスのボトルネックになっている部分、ボタンやリンクなどで期待した動作や反応が返ってこない部分をリアルタイムで検出する。

 ユーザーがどこをクリックしているのか、アクションが完了するまでにどのくらいの時間がかかっているのか、ページをどこまでスクロールしているかといったことも把握できる。Webサイトやアプリケーションのどの部分にユーザーが注目しているかを開発者が理解することで、改善が進み、エンドユーザーにとってより快適で満足度の高い体験を提供できるようになる。

 RUMは単独の技術としての利用もあるが、アプリケーションパフォーマンス監視(APM)ツールの一部としても提供されることもある。

RUMは具体的に何をするのか

 RUMの動作は以下の通り。

  • まずRUMは「データキャプチャー」機能を使い、Webサイトやアプリケーションとユーザーのやりとりに関する情報を取得する
    • 一般的には、Webサイトやアプリケーションにプログラミング言語「JavaScript」で作成したコードを挿入し、ユーザーをトラッキング(追跡)する仕組みを使う
  • 次にRUMは取得したユーザー情報をセッションにまとめる
    • セッション情報にはアクセスされた時刻や滞在時間、移動先などを含む
  • 最後にRUMはこれらの情報をビジュアル化し、ダッシュボードやレポートとして提供する

 中編は、RUMと合成モニタリングの違いを説明する。

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