勝手にroot化されたAndroidデバイスを「EMM」ツールなしでも見抜く方法Androidデバイスの「root化」対策【後編】

従業員がroot化したAndroidデバイスを検出するには「EMM」ツールの利用が手っ取り早いが、私物デバイスなど管理対象外のデバイスにはどう対処すればよいのか。EMMツールを使わなくても検出可能な方法を解説する。

2025年09月14日 06時00分 公開
[Sean Michael KernerTechTarget]

関連キーワード

Android | OS | セキュリティ


 「Android」デバイスの「root化」とは、エンドユーザーが設定を改変し、root(管理者)権限を取得することを指す。root化されたAndroidデバイスは、セキュリティやコンプライアンス(法令順守)の観点からリスクを生むので、企業は対策を講じなければならない。企業の管理下にあるデバイスであれば、「エンタープライズモビリティ管理」(EMM)ツールを使うことで一元的に管理できる。だがBYOD(私物端末の業務利用)を実施している場合、従業員の私物デバイスはEMMツールで管理することが困難だ。そうしたデバイスに対して、EMMツールを使わなくてもroot化されたAndroidデバイスを検出する方法を紹介する。

EMMツールを用いない3つのroot化検出方法

 企業がEMMツールを導入していない場合や、EMMの管理対象になっていない個人所有のAndroidデバイスを業務に使っている場合、企業はEMMツールを利用する以外の方法でroot化されたAndroidデバイスを検出する必要がある。以下で主な検出方法を見てみよう。

1.ルートチェッカー(root化検出)の使用

 Googleの公式アプリケーションストア「Google Play」ストアから、Androidデバイスがroot化されているかどうかを確認するためのアプリケーション「ルートチェッカー」をダウンロードできる。

2.ネットワークセキュリティによる検出

 企業はファイアウォールといったネットワークセキュリティツールを有効にし、Androidデバイスの疑わしい活動を検出することが可能だ。root化されたAndroidデバイスは、セキュリティ設定の変更によって、正常なAndroidデバイスとは異なるネットワーク行動を示すことがある。ネットワークセキュリティツールを使えば、root化の兆候を発見できる。

3.パフォーマンス問題の特定

 Androidデバイスにおいて、予期しないアプリケーションのクラッシュや、異常なデータ使用量によるパフォーマンスの低下などを発見した場合、Androidデバイスがroot化されている可能性がある。加えて、ソフトウェア更新の失敗やセキュリティ設定の無効化もroot化の可能性を示す。

root化されたAndroidデバイスの修正方法

 EMMツールで管理されているAndroidデバイスとそうではないAndroidデバイスの両方で、root化を解除することは可能だ。企業はAndroidを標準の構成に戻した後、EMMツールを使って通常のセキュリティ設定がされているかどうかを確認する。以下に、root化解除の基本的な考え方とアプローチをまとめた。

管理者がroot化を解除する方法

 root権限取得用アプリケーション「Magisk」でAndroidデバイスがroot化されている場合、管理者はMagiskのアンインストーラー(削除ツール)を使い、Magiskを削除できる。どのroot権限取得用アプリケーションが使用されたかが不明な場合は、Androidデバイスでストックファームウェア(デバイスベンダーが提供するファームウェア)を実行し、Androidデバイスを元のセキュリティ設定に戻すことが可能だ。ただしこの方法ではユーザーファイルが削除されるため、事前にバックアップが必要になる。

エンドユーザーがroot化を解除する方法

 Magiskでroot化された、EMMツール非対象のAndroidデバイスを修復するために、エンドユーザーは上記と同様の方法を使える。Magiskではなく、別のroot権限取得用アプリケーション「SuperSU」でAndroidデバイスがroot化されている場合、SuperSUのアンインストール機能を実行した後、デバイスを再起動する。

 root化のツールや方法が不明な場合は、AndroidデバイスベンダーのWebサイトからストックファームウェアをダウンロードできる。この方法もユーザーファイルが削除されるため、事前にバックアップが必要だ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。

アイティメディアからのお知らせ

From Informa TechTarget

なぜクラウド全盛の今「メインフレーム」が再び脚光を浴びるのか

なぜクラウド全盛の今「メインフレーム」が再び脚光を浴びるのか
メインフレームを支える人材の高齢化が進み、企業の基幹IT運用に大きなリスクが迫っている。一方で、メインフレームは再評価の時を迎えている。

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...