AIベンダーAnthropicは130億ドルの資金を調達し、評価額が1830億ドルに達した。2025年3月からほぼ3倍に成長したことになる。しかし同社は課題にも直面している。今後、同社が乗り越えるべき壁とは。
人工知能(AI)ベンダーAnthropicは同業他社OpenAIの競合として存在感を高めている。Anthropicは2025年9月2日(米国太平洋時間)、投資会社ICONIQ Capitalが主導する企業グループから、130億ドルの資金調達を完了したと発表した。これによって、同社の評価額は1830億ドルに達した。これは2025年3月に35億ドルを調達し、評価額が615億ドルだった時と比べ、ほぼ3倍だ。
今回、Anthropicに投資した企業には、投資会社のGeneral CatalystやInsight Partners、WCM Investment Managementなどが名を連ねている。
1830億ドルというAnthropicの評価額は、OpenAIの2025年3月時点の評価額3000億ドルには及ばない。それでも、調査会社Information Services Group(ISG)のアナリストであるデビッド・メニンジャー氏は、「評価額を3倍にすることは市場での成功を示す重要な指標だ」と述べる。
調査会社The Futurum Groupのアナリストを務めるニック・ペイシェンス氏によると、今回の資金調達は、Anthropicが引き続き強力な投資家の支持を得ていることを示している。
Anthropicの強みの一つは、AI技術の安全性やガバナンスを重視する姿勢にある。メニンジャー氏によると、AI技術の利用を巡ってガバナンスやコンプライアンス(法令順守)、セキュリティリスクが懸念事項になる。「同社はこうした懸念があることをいち早く認識し、対策を講じてきたことで信頼を高めた」(同氏)
しかし安全性の重視は、AnthropicがOpenAIや他のAIベンダーに対抗する上で十分ではないとの見方がある。ペイシェンス氏は、Anthropicが今回の資金を使い、計算能力の向上や新製品開発、ビジネスのグローバル展開に注力する必要があると指摘する。
Anthropicは順調に成長している一方、他のAIベンダーと同様に収益を生み出し、投資家にROI(投資対効果)をもたらさなければいけないという課題に直面している。「AIベンダーはどれほど優れた技術を開発しても、最終的には収益を上げる方法を見つけなければならない」とメニンジャー氏は述べる。
AnthropicをはじめとしたAIベンダーにとって特に問題になるのは、製品の開発や運用にかかる多大なコストだ。「AIベンダーは確実に収入を増やしているが、その分支出もかさんでいる」とペイシェンス氏は話し、中長期的に収益性をどう高めるかが今後の成長を左右すると指摘する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
なぜクラウド全盛の今「メインフレーム」が再び脚光を浴びるのか
メインフレームを支える人材の高齢化が進み、企業の基幹IT運用に大きなリスクが迫っている。一方で、メインフレームは再評価の時を迎えている。

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...