「NTFS」は「Windows」の標準ファイルシステムで、ファイル管理を効率化する複数の機能を備えている。NTFSの機能と、利用時の利点と欠点を解説する。
MicrosoftのOS「Windows」とサーバOS「Windows Server」が標準で採用しているファイルシステムが「NTFS」(New Technology File System)だ。どのような特徴があり、利用するに当たってのメリットとデメリットは何か。簡潔に説明する。
NTFSはファイルの索引情報を「バイナリツリー」(二分木)というデータ構造で管理する。これによってファイルの高速な検索や整理、読み出しが可能だ。
単一で最大16TBの容量のファイルを扱うことができる。
Windows Serverでは、複数サーバを連携させ、1台のサーバ(ノード)で障害が発生しても他のサーバが処理を引き継ぐことでシステム停止を防ぐ「フェイルオーバークラスタ」を構築できる。このシステム構築において、クラスタ内の全ノードからの同時アクセスを可能にする機能「クラスター共有ボリューム」(CSV)を併用することで、複数のノードが同時にボリュームにアクセスできるようになる。
NTFSは「アクセス制御リスト」(ACL)という仕組みを備えており、管理者が特定のファイルやフォルダごとのアクセス権限を設定できる。
ファイル圧縮機能によってファイルサイズを縮小し、より多くのストレージ領域を提供する。
文字コード規格「Unicode」に基づくファイル名を付けることができるので、複数言語の文字をファイル名に使用することも可能だ。
暗号化に加え、さまざまなメタデータやディスククオータ(エンドユーザーごとの容量制限)機能を提供し、データセキュリティを強化できる。
ローカルボリュームの空のフォルダに、別のボリュームをマウント(OSに接続)することで、ストレージ容量を追加できる。これによって、「C:」「D:」などのドライブレター(ドライブの識別子)を追加することなくストレージ容量を拡張可能だ。
NTFSの利点には以下がある。
NTFSは「Windows Server 2019」以降のWindows Server、「Windows 10」以降のWindowsで、16TBから8(ペタ)PBまでの容量のボリュームを作成できる。
ディスククオータによって、管理者が共有ドライブの使用容量をエンドユーザーごとに制限できる。
ファイル圧縮機能は、ディスク領域を節約するだけではなく、ディスクの読み書き処理がボトルネックになる場合において、ファイル転送量を減らすことによる読み書き速度の向上を実現する。
NTFSが備えるセキュリティ機能によって、管理者は機密データに対するアクセス権を特定のエンドユーザーに制限できる。「BitLocker」などの暗号化機能と組み合わせることで、データへの不正アクセスと物理的な盗難のリスクを抑えられる。
NTFSは全てのファイル操作をログに記録する。このため、システム障害発生時にログを使うことでファイルをロールバック(巻き戻し)し、システムを復旧させることができる。
NTFSの欠点は以下の通りだ。
Appleの「macOS」といったWindows以外のOSや、古いWindowsでは書き込むことができず、読み取り専用になる。
NTFSは、ファイルシステムの管理領域(オーバーヘッド)を比較的多く必要とする。数百MBのパーティション(ストレージを分割した領域)であれば数MBの管理領域が必要だ。そのため、400MB未満の小容量のボリュームには適していない。フロッピーディスクをNTFSでフォーマットすることも不可能だ。
ハードウェアの制限によって、NTFSで可能なパーティションサイズが制限される可能性がある。古い形式のパーティションテーブル(パーティションの管理領域)を利用する場合、パーティションサイズが最大2TBに制限される。
後編は、NTFSをファイルシステム「File Allocation Table」(FAT)と「High-Performance File System」(HPFS)と比較する。
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
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