Windowsファイルシステムの違いを比較【前編】
いまさら聞けない「FAT16」「FAT32」の基礎 いまだ“現役”の2つの違い
新旧問わず「Windows」で使われてきたファイルシステムを知ることは意味がある。企業では、古いファイルシステムがいまだに使われ続けていることがあるからだ。まずは「FAT16」「FAT32」を簡単におさらいしよう。
MicrosoftのクライアントOS「Windows 10」は、「FAT16」「FAT32」「NTFS」「ReFS」といったさまざまなファイルシステムを利用可能にしている。これらのファイルシステムにはそれぞれ固有の機能と用途があり、中には数十年の歴史を持つファイルシステムもある。古いファイルシステムも、特定の状況で依然として価値を発揮している。
前編は「Windows」シリーズで利用可能なファイルシステムのうち、FAT16とFAT32を解説する。
Windowsファイルシステム1.FAT16
併せて読みたいお薦め記事
「ファイルシステム」についてもっと詳しく
「Windows 10」の基礎知識
FAT16の「FAT」は「File Allocation Table」の略語であり、「16」は16bitファイルシステムを意味する。FATはもともとフロッピーディスク用に開発され、その後に実用化されたHDDでも使われた。
大昔に開発されたためにFAT16には限界があり、概してモダンOSでの使用には適さない。16bitファイルシステムであるFAT16で管理できる「クラスタ」(ファイルに割り当て可能なディスク容量の最小単位)の最大数は、6万5536個だ。ほとんどのファイルシステムと同様に、FAT16はクラスタ容量を変更できる。
FAT16で扱える「ボリューム」(ディスクを論理的に分割した単位である「パーティション」内に作成した論理領域)の最大容量は、当初は2GBだった。これは当初、FAT16のクラスタ容量が通常512B~32KBだったためだ。FAT16でも64KBまでのクラスタ容量を選択できる「Windows NT」系OSは、最大4GBのボリュームを扱える。
Windowsファイルシステム2.FAT32
「Windows 95 OEM Service Release 2」(Windows 95 OSR2)で導入されたファイルシステムがFAT32だ。FAT32には、FAT16に対する大きな改良点が2つあった。
1つ目は、32bitファイルシステムになったため、FAT16よりもはるかに大容量のディスクで利用できるようになったことだ。FAT16で扱える最大ボリューム容量は4GBだが、FAT32は理論上、最大2TBの容量のボリュームを扱える。
2TBという最大ボリューム容量は、一部のOSが扱える容量を超えていることに注意すべきだ。例えば「Windows XP」が扱えるFAT32の最大ボリューム容量は32GBだった。Windows XPや「Windows Vista」「Windows Millennium Edition」「Windows 2000」に搭載の管理コンソール「ディスクの管理」も、FAT32で作成可能な最大ボリューム容量を32GBに制限していた。
2つ目は、長いファイル名を利用可能にしたことだ。FAT16では、ファイル名は「8.3形式」の命名規則に従う必要がある。この規則は、ファイル名は最大8文字のベース名とピリオド、最大3文字の拡張子の組み合わせでなければならないというものだ。これに対してFAT32では、最大255文字の長いファイル名が使える。
FAT32の主な制限の一つは、扱える最大ファイル容量が4GBであることだ。最近のほとんどのSDメモリカードはFAT32でフォーマットされている。そのためにアクションカメラ「GoPro」のようなコンシューマー向けデバイスは、録画ファイルを4GBごとに分割する。FAT32は幅広いOSで利用されており、さまざまなベンダーがトラブルシューティング用フラッシュストレージのファイルシステムとして採用している。
変更履歴(2020年12月9日10時28分)
記事掲載当初、「FAT16はもともとフロッピーディスク用に開発され、その後に実用化されたHDDでも使われた」と記載していましたが、正しくは「FATはもともとフロッピーディスク用に開発され、その後に実用化されたHDDでも使われた」です。おわびして訂正します。本文は修正済みです。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
比較資料
[セコムトラストシステムズ株式会社] 「自社に合うEDR」はどれか分かる? 比較・検討時の見極めポイントを解説 -
製品資料
[アルプス システム インテグレーション株式会社] まだ社内で眠らせたまま? AI活用の糧となる「データ資産」を有効利用するには -
市場調査・トレンド
[AvePoint Japan株式会社] “SCS評価制度”対応の第一歩、自社環境と要求事項とのギャップを把握する方法 -
製品資料
[株式会社BREXA Technology] 情報整理の自動化でインシデントの初動対応を効率化、AIエージェント活用のコツ -
製品レビュー
[ヴィーム・ソフトウェア株式会社] SCS評価制度を導入するだけで十分? 組織の防御力を高める活用方法とは
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
2
「WSUS」終了の時限爆弾 “本命”移行先ツールとMicrosoft提唱の新管理手法
-
3
Claude Codeでは「エージェントを作るな、スキルを作れ」 Anthropicが示すAI構築術
-
4
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
5
VMware離れの決め手は“機能”以外だった 情シス109人が選んだ新基準と死角は
-
6
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
7
「ERP(統合基幹業務システム)の導入・活用」に関するアンケート
-
8
パッチなしで「今すぐサーバを落とせ」 Kiteworks異例警告の波紋
-
9
「ITインフラとデータ保護・バックアップ対策」に関するアンケート
-
10
「IBM i(AS/400)はクローズドなシステム」という誤解 DXに寄与する一歩
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
「Google Workspace」活用事例34選、先進の生成AIによる組織変革の全貌
-
2
Linuxのスキルを証明する“激推し”の認定資格はこれだ
-
3
バックアップは“取っているから大丈夫”なのか? ランサムウェア時代の備え方
-
4
ネットワーク遅延の原因、「パケットロス」の基礎知識と効果的な解決策
-
5
月1000枚の紙を削減 9年動けなかった組織が、業務改革のその先に得たもの
-
6
「改正物流効率化法対策」徹底解説 総物流費を抑制するサプライチェーン戦略
-
7
Windows PCとMacの選択制で生産性向上 LINEヤフーが実践する運用管理方法とは
-
8
ソフトウェア開発の属人化と手戻りをどう防ぐ? 速さと品質を両立させる方法
-
9
AI活用を停滞させる「2:6:2の壁」を乗り越えるためのポイントとは?
-
10
ドラマで分かる、標的型攻撃メールの被害を受ける企業と回避できる企業の分岐点
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー