「GCP」から「AWS」へアプリを移行させる方法は? IaaS移行4大ステップGCPとAWSで確認するIaaS移行のポイント【第1回】

IaaSで稼働させているアプリケーションを、他ベンダーのIaaSに移行させるにはどうすればよいのか。「Google Cloud Platform」から「Amazon Web Services」への移行を例に、主なステップを紹介する。

2020年11月30日 05時00分 公開
[Stephen J. BigelowTechTarget]

関連キーワード

Amazon Web Services | Google | IaaS


 いったん特定のIaaS(Infrastructure as a Service)を採用しても、別のベンダーのIaaSへの移行を検討する企業は珍しくない。移行検討のきっかけは幾つかある。例えば別のベンダーが、自社のビジネスモデルにより適したツールや利用料金、SLA(サービス品質保証契約)を提供する可能性がある。自社に合併や買収といった大きな変化があり、新しいクラウドサービスが必要になることもある。

 きっかけが何であろうと、あるベンダーのIaaSから別ベンダーのIaaSへのアプリケーションやデータの移行は難しくなる恐れがある。企業のクラウド担当者は、IaaSで採用されているOSや利用可能なAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)、自動化のポリシー・ルールなど、さまざまな違いを克服しなければならない。

 IaaS間のアプリケーション移行を成功させるには、どうすればよいのか。Googleの「Google Cloud Platform」(GCP)で稼働させているアプリケーションをAmazon Web Services(AWS)の同名クラウドサービス群に移行させる場合を例に挙げ、IaaS移行のベストプラクティスを紹介する。

移行に必要な4つのステップ

 GCPとAWSの同名サービスは、どちらもクラウドサービス市場の大手だ。GCPは近年勢いを増し、機能やサービスを充実させつつあるが、依然としてAWSが市場をけん引している。GCPからAWSにアプリケーションを移行させるときには何から手を付ければよいのか。移行の手順を説明する。

ステップ1.検出

 自社のアプリケーション群を評価して、移行の対象となるアプリケーションを見つけ出す。部署や事業のニーズに応じて優先順位を付け、個別のアプリケーションの情報を収集する。

ステップ2.設計と構築

 ストレージサービスやデータベースサービスなど基本となる構成要素を中心に、移行先であるAWSでインフラを設計・構築する。その後、AWSで各種リソースをプロビジョニング(配備)し、GCPと相互接続して、データやデータベースを移行させる。

ステップ3.接続とテスト

 移行させたアプリケーションをネットワークに接続する。次に小規模なエンドユーザーを対象に、アプリケーションをテストする。これにより移行させたアプリケーションのレスポンスといったパフォーマンスを検証し、エンドユーザーがそのパフォーマンスを受け入れているかどうかを把握する。通常はGCPでアプリケーションの運用を続けながら、並行してAWSで稼働させているアプリケーションを調整する。

ステップ4.運用開始

 AWSに移行させたアプリケーションの最適化と検証を終えたら、実運用を開始する。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

ITmedia マーケティング新着記事

news079.jpg

狙うは「銀髪経済」 中国でアクティブシニア事業を展開する企業とマイクロアドが合弁会社を設立
マイクロアドは中国の上海東犁と合弁会社を設立。中国ビジネスの拡大を狙う日本企業のプ...

news068.jpg

社会人1年目と2年目の意識調査2024 「出世したいと思わない」社会人1年生は44%、2年生は53%
ソニー生命保険が毎年実施している「社会人1年目と2年目の意識調査」の2024年版の結果です。

news202.jpg

KARTEに欲しい機能をAIの支援の下で開発 プレイドが「KARTE Craft」の一般提供を開始
サーバレスでKARTEに欲しい機能を、AIの支援の下で開発できる。