コンサルティング企業のAccentureは、DX実現に向けた取り組みを進めるために社内システムをクラウドに移行した。部署ごと、システムごとに分断されていた同社のIT環境は、クラウドへの移行でどう変わったのか。
世界中の大企業を顧客とし、「デジタルトランスフォーメーション」(DX:デジタル時代に適応するために、ビジネスや企業風土を変革すること)やテクノロジーの採用、ITシステムの運用に関する戦略コンサルティングサービスを提供するAccenture。同社の経営陣は、DX実現に向けた取り組みを進めるには、DXに適応したIT部門とクラウドが不可欠だという立場を取る。
AccentureはDXに関する取り組みで「3つの領域を重視している」と、同社の社内ITシステム担当マネージングディレクターを務めるメリム・ベシロビッチ氏は説明する。業務の優先事項に合わせてIT化を進めること、同社のビジネスに取り入れるテクノロジーの種類を拡充すること、ITコストを下げることだ。
ベシロビッチ氏によると、Accentureが進めるDXに関する取り組みのゴールは、提供するサービスをより一社一社の顧客に合わせて展開できるようにすることだ。「顧客のニーズは多様で、それぞれに必要なテクノロジーも同じではない。画一的ではないサービスとテクノロジーを提案することが必要だ」とベシロビッチ氏は語る。
AccentureのIT環境の高度化にはクラウドが重要な役割を果たした。同社は自社のITインフラの中でクラウドが占める割合を、3年で9%から95%に拡大させた。現在は複数のクラウドを組み合わせるマルチクラウド戦略を採用し、3種のパブリッククラウドを導入している。従来システムをできる限りそのまま移し替えるリフト&シフト方式を選択し、導入作業を可能な限り簡略化した。
マルチクラウド戦略に基づき、Accentureはまず「Amazon Web Services(AWS)」を導入し、次に「Microsoft Azure」を追加した。今は「Google Cloud Platform」(GCP)を試している。
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