「AI需要」はサーバとストレージで明暗 なぜストレージは割りを食うのかDellの決算で考える

Dell Technologiesの2026年第2四半期決算ではサーバが大きく伸びたが、ストレージは3%の減少となった。AIニーズが高まっている中、ストレージの成長はなぜ遅れているのか。

2025年10月07日 05時00分 公開
[Yann Serra, Antony AdsheadTechTarget]

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 Dell Technologiesが2025年8月28日(米国時間、以下同じ)に発表した2026年第2四半期(2025年8月1日終了)決算では、人工知能(AI)の普及を背景にサーバ販売が大幅に伸びた。一方で、ストレージ分野の成長が相対的に遅れていることが明らかになった。なぜなのか。

NetAppの成長もわずか ストレージ“出遅れ”の理由

 Dell Technologiesの2026年第2四半期、サーバとネットワーク機器の売り上げが前年同期比69%増の129億ドルとなり、インフラ部門の売り上げは168億ドルに達した。全社の売り上げは前年同期比19%増の298億ドルだった。

 サーバとネットワーク機器の分野でDell TechnologiesはAI技術の利用に最適化した設計に注力し、例えば、NVIDIAの高性能GPU(グラフィックス処理装置)などを採用している。この戦略が奏功して「過去6か月間で、AIソリューションを100億ドル分納品した」と、Dell Technologiesバイスプレジデント兼最高執行責任者(COO)のジェフ・クラーク氏は述べる。

 一方でストレージ分野は売り上げが39億ドルとなり、前年同期比で3%減少した。サーバとネットワーク機器分野と比べ、ストレージ分野はAI需要の恩恵をまだそれほど受けていない形だ。ストレージベンダーのNetAppに関しても、似ている動向がみられる。同社が2025年8月27日に発表した2026年第1四半期(2025 年7月25日終了)の売り上げは15億5900万ドルだったが、前年同比でみるとわずか1%の成長だ。

 オールフラッシュストレージベンダーのPure Storageは2026年第2四半期(2025年8月3日終了)、8億6100万ドルの売り上げになった。前年同期比13%に増加になるが、Meta Platformsへの大規模な納入が寄与した。Hewlett Packard Enterprise(HPE)はストレージ分野の売り上げについて明らかにしていない。

 AI向けのサーバの販売が活性化しているのに対し、ストレージでは違う理由は何か。一つ考えられるのは、企業がAI技術利用に向けた投資に段階的に取り組み、現在はまずサーバの購入に重点を置いているということだ。

 加え、ストレージ製品はサーバと比較し、性能面でのAI処理への最適化が遅れていることも事実だ。例えば、GPUにデータを送信するサーバは400Gbpsや800Gbpsの速度を可能にしているが、ストレージは送信速度が約100Gbpsになっている。

 Dell Technologiesはストレージ分野での成長を目指し、AI処理に最適化された並列ファイルシステムを開発するプロジェクト「Project Lightning」を進めているが、発売時期は未定だ。

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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。

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