データの圧縮や重複排除はストレージ容量の節約に効果的だが、処理方式によってはシステムの書き込み速度を劇的に低下させるリスクがある。不要なデータを整理しつつ、性能を損なわずに効率化するにはどうすべきか。
企業のデータが膨れ上がる中、ストレージシステムの効率化は、費用削減と性能維持の両面で喫緊の課題になっている。オンプレミスストレージとクラウドサービスが混在する複雑なシステム構成において、単にハードウェアを増強するだけでは、根本的な解決にはつながらない。
無駄なデータを削減し、「真のストレージ効率化」を実現するには、データの生成から廃棄までを管理する「データライフサイクル管理」(DLM)の視点が不可欠だ。以下で、現代のインフラにおいてストレージ効率を最大化するための実践的な5つの指針のうち、3〜5つ目を解説する。
既にDLM戦略を導入している企業は、現在のニーズに合わせて見直る。まだ導入していない企業は、DLMの取り組みを開始することを最優先事項にすべきだ。
DLMは、データを整理し、管理するための手順を定義する。企業がデータを適切に管理できるようになれば、データの効率的な保存や、ビジネス要件の変化に適用したデータ戦略を実行しやすくなる。
一般的に、DLMの取り組みではデータのライフサイクルにおいて以下のステップを実行する。
効果的なDLM戦略を導入することで、ITチームは必要なストレージの種類、データの可用性とセキュリティを確保するための効果的な方法を、より適切に計画できるようになる。
ストレージ使用率を向上させるために役立つのがデータ削減技術だ。データ削減技術の採用は通常、企業のDLMの取り組みに組み込まれる。一般的なデータ削減技術として、圧縮、重複排除、シンプロビジョニングの3つがある。
圧縮は、データの表現に使用するビット数を減らし、ファイルサイズを小さくする技術だ。圧縮されたデータは、元データと比べて必要なストレージ容量とネットワーク帯域幅(通信路容量)が少なくなり、ファイル転送も高速化する。
圧縮には主に「可逆圧縮」と「非可逆圧縮」の2種類がある。可逆圧縮はファイルを圧縮前の状態に復元できる方式で、わずかなデータの変化が動作エラーにつながり得る実行ファイルなどのファイルに重要だ。非可逆圧縮は重要でないビットを削除して圧縮率を高める方式で、一般的に音声ファイルや動画ファイルに使われる。
重複排除は、冗長なデータのコピーを、ブロックレベルまたはファイルレベルで排除する技術だ。重複排除は必要なストレージ容量を削減する他、データ送信前に処理を適用する方式であれば、ネットワーク帯域幅の削減やデータ転送の高速化にもつながる。
重複排除には主にインライン方式とポストプロセス方式の2種類がある。インライン方式の重複排除は、データがストレージに書き込まれる際に冗長データを削除する。この方式はポストプロセス方式よりも必要なストレージが少なくて済むが、ボトルネックを引き起こす可能性がある。ポストプロセス方式の重複排除は、データがストレージに書き込まれた後に冗長データを削除する。インライン方式よりも多くのストレージ容量を必要とするが、ボトルネックを解消し、特定のデータを重複排除する際の自由度が高まる。
シンプロビジョニングは、データ容量を事前に全量割り当てるのではなく、必要に応じて動的に割り当てるストレージ管理技術だ。システムは複数のディスクからストレージを確保し、そのプールから割り当てる。シンプロビジョニングは、企業がストレージをより有効に活用し、過剰なプロビジョニングを回避すると同時に、新しいアプリケーションの導入を容易にするのに役立つ。特に、複数の仮想マシン(VM)が状況に応じて要求するストレージ量が変化する場合に有効だ。
現代のストレージ製品には、圧縮、重複排除、シンプロビジョニングが普及している。企業は、ストレージベンダーがこれらの用語をどのように定義し、容量削減効果をどのように測定し、これらのデータ削減機能をどのように実装しているかを理解するために、製品を慎重に評価する必要がある。
ストレージ効率の維持と向上は、継続的な再評価と改善を要する継続的なプロセスだ。以下の作業を実施するとよい。
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