優秀なエンジニアが突然休職する裏には「合理的な提案が通らない」という現場の絶望がある。過去2年以内に燃え尽き寸前まで追い込まれた400人の生々しい証言から、実践的な自衛策と体制崩壊を防ぐ防衛策を読み解く。
深刻な人手不足が続くIT業界において、エンジニアの持続可能な働き方の確立は急務だ。長時間労働や過度なプレッシャーによって「燃え尽き症候群」の寸前まで追い込まれるエンジニアは後を絶たない。
IT人材事業を展開するキッカケクリエイションは、2023年8月以降に燃え尽きそうになった状態を経験し、その後回復したITエンジニア400人を対象として、2025年8月に「ITエンジニアの燃え尽き手前からの回復実態調査」を実施した。
調査結果によると、燃え尽き手前の状態に陥った最大の要因は、長時間の業務や納期に対する強いプレッシャーであることが分かった。技術的な難易度の高さや職場の人間関係も、エンジニアの心身を削る要因として挙げられている。自由回答では、「合理的な提案が理解されない状態が続いたこと」や「過重労働」といった現場の悲痛な叫びも確認できる。
仕事に真剣に向き合うが故に限界まで頑張ってしまうエンジニアは、どのようなきっかけでどん底から回復できたのか。回復の過程や意外にも逆効果だった行動、再発を防ぐための予防策について、経験者のリアルな声とともに深掘りする。
燃え尽き手前の状態だったときの業務環境について詳しく見ると、第1位の「長時間労働や納期のプレッシャーがあった」に次いで、「技術的に難しいプロジェクトが続いた」が第2位、「人間関係のストレスがあった」が第3位となった。「評価や報酬に不満があった」や「キャリアの方向性への不安があった」「リモートワークで孤独を感じた」という声も続いている。具体的なエピソードとして、「期限が厳しい上に業務量が多く、本番作業期間も限られておりミスできない状況で追い込まれていた」という過酷な状況や、「管理職に全て押し付ける、何もしない何もできない幹部」に対する不満も浮き彫りになった。
このような状況から回復したきっかけとして、自身の考え方を変えたり、新しいことを始めたりといった「内的要因」が38.5%で最多となった。次いで、異動や休職、周囲の支援などの「外的要因」が36.5%と続く。回復までに要した期間は「1〜3カ月」と「4〜6カ月」が同率の28.5%であり、半数以上が半年以内で回復を感じている。
回復の過程で意識的に取り組んだ精神面の回復方法として、「よく寝るようにした」「ビジネスと割り切った」「周りに流されないように勝手に振る舞った」といった声が寄せられた。「休みを積極的に取る。ストレス発散のため運動する」「仕事とは関係のない学生時代の友人に会い、話しているうちに気が楽になった」など、仕事から距離を置く工夫が見られる。外的要因としては「考えない時間を作る」「休暇として行った旅行での心休まる体験」の他、「私の異変に気付いた同僚によるサポート」「家族の存在や励まし」といった周囲の支えも大きな役割を果たしている。
一方で、良かれと思って取った行動や周囲からのアプローチが、かえって回復の妨げになるケースも明らかになった。「効果がなかった」「逆効果だった」と感じた行動として、「産業医によるカウンセリング」や「薬の服用」の他、「関係者と対話すること」「『大変だな』というねぎらいの言葉」「経験者からのアドバイス」といった声が聞かれた。直接人に相談するのではなくWebで調べることや、寝っぱなしで何もしないこと、十分な休息を取るだけでは根本的な解決に至らないと実感した経験者も存在する。
調査実施時点で、燃え尽き手前の状態にならないために意識していることの第1位は「タスクの優先順位付け」(34.5%)、第2位は「1on1での率直なコミュニケーション」(33.3%)だった。第3位には「定期的な休暇取得」(32.3%)、第4位に「断る勇気を持つ」(31.3%)が続く。個人で業務量をコントロールするスキルに加え、上司やチームとの風通しの良い対話が予防策として重視されている。
過去の自分へのアドバイスとして、回答者が「早めに休もう」「無理をするな」「その会社は早く辞めた方がいい」と切実なメッセージを残している。「自分で抱え込まず仕事から離れた友人に相談するなり、環境を変えてみるなりすることで、視野が広まり、考え方が変化して気が楽になることもある」という実体験に基づくアドバイスも印象的だ。エンジニア個人の自助努力に頼るだけではなく、組織的な支援体制の構築が、日本のIT競争力向上に向けた重要な鍵になる。
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
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