AI時代のナレッジマネジメントの“正解”
システム分断の“壁”をどう越える? 三菱UFJ信託銀行の「Box」活用術
三菱UFJ信託銀行がコンテンツ管理に「Box」を採用した。これまで複数の業務システムに分断されていたデータの一元管理を目指す。金融機関に求められる高度なガバナンスとAI活用を両立させる秘策とは。
金融機関にとって、サイバーセキュリティの強化やシステムの近代化は避けて通れない課題だ。三菱UFJ信託銀行も例外ではなく、総合的なアクションプラン「MUTB-DX」を掲げ、業務インフラの強化に取り組んでいる。一方で、同行の内部には大きな“壁”が存在していた。従来、複数の業務システム間でコンテンツが分断されており、データを組織横断的に活用したり、一元的に管理したりすることが困難だったのだ。
データ分断を解消するため、三菱UFJ信託銀行が次世代のコンテンツ管理ツールとして白羽の矢を立てたのが、Box社のファイル共有サービス「Box」だ。クラウドサービスへの移行によって、これまで分散していたデータを集約し、組織の枠を超えた情報の利活用を促進する。アクセス制御や監査機能を用いることで、金融機関に不可欠な高度なガバナンス体制を維持したまま、情報の共有を実現する仕組みだ。セキュアなデータ集約の先に見据える、次世代金融インフラの姿とは。
ばらばらなデータを安全に抽出
三菱UFJ信託銀行は、AI活用を見据えた次世代のコンテンツ管理ツールとして、Boxを採用した。2026年3月18日、Box Japanが発表した。クラウドサービスへの移行によって、組織を横断したデータの一元管理とセキュアな利活用を推進する。業務システムの強靭(きょうじん)化を図り、生産性の向上とAI(人工知能)ネイティブ企業への変革を目指す。
三菱UFJ信託銀行は、システムのモダナイゼーションやサイバーセキュリティの強化、AI活用などを盛り込んだ総合的なアクションプラン「MUTB-DX」を全社的に推進している。従来、複数の業務システム間でコンテンツが分断されており、データの横断的な活用や一元的な管理が課題となっていた。
今回のBox採用に当たっては、エンタープライズグレードの強固なセキュリティとガバナンスを維持できる点を評価した。非構造化データから業務のコンテキストを安全に抽出できるシステムとしてBoxを位置付けている。三菱UFJ信託銀行は市場部門やリテール領域などで先行してAIツール導入を進めており、今後、全社でAIツールを展開する上での核となるツールとしてBoxの活用を決めた。
Boxの導入によって、これまで複数システムに分散していたデータを集約し、組織の枠を超えた情報の利活用を促進する。アクセス制御や監査機能を活用することで、金融機関に求められる高度なガバナンス体制を構築。主要な業務アプリケーションとBoxを連携させることで、業務プロセス自体の改善も進める方針だ。
ナレッジマネジメントの推進も大きな目的の一つだ。Boxに蓄積された非構造化データに対し、適切な権限管理の下でAI機能を活用することを検討している。これによって、組織内の知見を効率的に共有、活用できる仕組みを整備する。
三菱UFJ信託銀行 執行役員 デジタル戦略部長の多木嘉一氏は、「社会課題解決を目指す当社にとって、暗黙知を形式知化するナレッジマネジメントは課題解決力の源泉。その中核となる非構造化データの管理基盤刷新は不可欠な取り組みだった」とコメント。その上で、「高度なセキュリティと他システムとの連携、AI機能などの拡張性を持つBoxを全社的なツールとして活用し、利便性と安全性を両立した変革を加速させたい」と話す。
(※)この記事は本多和幸氏と谷川耕一氏によるIT事例メディア「CaseHub.News」に掲載された「三菱UFJ信託銀行、Boxでコンテンツ管理基盤を刷新 全社でのAI活用を加速」(2026年3月18日)を、TechTargetジャパン編集部で一部編集し、転載したものです。
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