グループ15社が利用する基幹システムにおいて、有事の切り替えに数日を要するDRは、維持費用も相まって経営の足かせになっていた。アクティオは「OCI」への移行で、この状況をどのように打破したのか。
建設業界における深刻な人手不足や、それに伴う建機レンタル需要の拡大を背景に、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進は急務となっている。建機レンタル大手のアクティオホールディングスが従来運用していた災害対策(DR)システムには、有事の際のシステム切り替え時間や可用性に課題を抱えていた。激甚災害の発生時であっても復旧工事などに必要な機械の供給を継続するには、より強固なITシステムが求められていた。
そこでアクティオホールディングスは、建機レンタル事業を担うグループの国内事業企業15社が共用するミッションクリティカルな基幹システムを、オンプレミスシステムおよび利用中のクラウドサービスから、Oracleのクラウドサービス群「Oracle Cloud Infrastructure」(OCI)に移行した。データベースには「Oracle Exadata Database Service」を採用し、シンガポールのリージョンを活用してDRサイトを構築している。
この刷新によって、これまで数日を要していたDRサイトへの切替時間が、わずか数時間にまで短縮された。データの復旧時点目標も日次から最新状態へと改善し、障害発生直前の状態で業務を再開できる仕組みを整えた。
導入による効果はDRにとどまらず、2029年までの3年間でITインフラに関わる費用を約50%削減できる見通しだという。アクティオホールディングスはいかにして効率化と事業継続性の強化を実現したのか。
アクティオホールディングスは、建設機械レンタル業務を支える基幹システムをオラクルのクラウドサービス「Oracle Cloud Infrastructure」(OCI)に移行し、本番稼働を開始した。2026年4月6日、日本オラクルが発表した。自然災害やサイバー脅威に備えたレジリエンス(復旧力)を強化するとともに、運用の効率化を図る。
建設機械レンタル業界大手のアクティオグループは、国内の事業会社15社で共用するミッションクリティカルな基幹システムを運用している。建設業界の人手不足やレンタル需要の拡大を背景にDXを推進しているが、従来のDRシステムでは切り替え時間や可用性に課題があった。社会インフラを支える事業特性上、激甚災害時でも機械供給を止めない強固なITインフラの構築が急務となっていた。
今回の刷新では、オンプレミスインフラおよび他社クラウドインフラからOCIに移行。基幹システムにはOracle Exadata Database Serviceや、仮想マシン群をクラウドサービスに移行できる「Oracle Cloud VMware Solution」を採用した。シンガポールリージョンを活用したDRサイトを構築し、データベース保護サービス「Oracle Database Zero Data Loss Autonomous Recovery Service」を導入した。
導入の効果として、DRサイトへの切り替え時間は従来の数日から数時間に短縮された。復旧時点目標(RPO)も最大1日前の状態から最新の状態まで短縮され、障害発生直前のデータ状態での復旧が可能になった。夜間のバッチ処理時間の短縮や、2029年までの3年間でITインフラ費用を約50%削減する見通しを得るなど、性能と費用の両面で成果を上げている。
アクティオホールディングスは、2026年4月時点で他社クラウドサービスで稼働している300台以上のサーバ群についてもOCIへの移行を決定している。同社取締役CIO(最高情報責任者)の井原宏尚氏は、「OCIの採用によってレジリエンスと可用性を大幅に強化できた。今後は外部連携も視野に入れ、建設機械レンタルのプラットフォーム化を推進していく」と語る。
(※)この記事は本多和幸氏と谷川耕一氏によるIT事例メディア「CaseHub.News」に掲載された「アクティオ、基幹システムをOCIで刷新 DR切替を数日から数時間へ短縮」(2026年4月7日)を、TechTargetジャパン編集部で一部編集し、転載したものです。
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