開発未経験でも「IBM i」との連携を実装 dinosが選んだ“ノーコード”の真価5カ月でデータ連携システムを刷新

システムの個別開発は、特定の人しか仕様が分からない「ブラックボックス」を生みやすい。dinosが基幹システムの連携において、開発未経験者を含む2人チームで実現したシステム刷新の鍵は「ノーコード」にあった。

2026年04月16日 05時00分 公開
[CaseHub.NewsTechTargetジャパン]

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 カタログやテレビ、EC(電子商取引)など多彩な販売チャネルを展開する総合通販企業のdinosでは、事業成長に伴うDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が急務となっていた。しかし、OS「IBM i」が稼働する既存の基幹システムと各周辺システム間のデータ連携を個別にスクラッチ開発していたため、開発や保守の負担が重くのしかかっていた。特定の担当者しか仕様を把握できない属人化や、開発における費用と手間の高止まりが、全社的な業務効率化の足かせとなっていたのである。

 こうした課題を根本から解決するため、dinosは既存の基幹システムを置き換えることなく、連携処理を一元管理できる新たなシステムの構築に乗り出した。その中核として選ばれたのが、アステリアのノーコードデータ連携ツール「ASTERIA Warp」だ。専門的なプログラミング知識が不要な「ノーコード」開発を取り入れることで、特定のITエンジニアへの依存から脱却する狙いがある。

 開発未経験者を含むわずか2人の体制で挑んだプロジェクトは、いかにして約5カ月という短期間で本番稼働に至ったのか。

ノーコードで属人化を打破

 dinosは、既存の基幹システムを生かしたデータ連携システムとして、アステリアのノーコードデータ連携ツールASTERIA Warpを採用した。2026年4月7日、アステリアが発表した。IBM iが稼働する基幹システムと周辺システム間の連携を標準化・可視化することで、属人化の解消と業務効率の向上を図る。

 dinosは、フジ・メディア・ホールディングス傘下で、カタログ、テレビ、ECなどの複数チャネルを展開する総合通販企業だ。従来、基幹システムと各システム間の連携を個別にスクラッチ開発していたため、開発・保守の負担増や属人化が課題になっていた。さらなるDX推進に向け、基幹システムを置き換えることなく連携処理を一元管理できるシステムの構築を決定した。

 ASTERIA Warpの採用に当たっては、専門的なプログラミング知識が不要なノーコード開発によって属人化を抑制できる点や、IBM iとの確実な接続性に加え、「REST」形式のAPIなどを用いた、臨機応変な外部連携が可能である点を評価した。フローデザイナーで処理を俯瞰(ふかん)でき、可視化や標準化が容易であることも決め手となった。

 dinosはASTERIA Warpによって、基幹システムと商品管理システムのフロントエンド「Mendix」やECシステム間のリアルタイム連携を実装した(図)。導入から約5カ月で本番稼働を実現し、保守や改修時の技術的負債の抑制につながっている。顧客向けハガキの発送業務などのBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)においても委託先とのデータ連携を円滑化したことで、従業員がコア業務に集中できる業務体制を整えた。

図 図 各種システムとの連携イメージ(提供:アステリア)《クリックで拡大》

 dinosの情報システム部システム開発ユニットの島田朔氏(「島」は正しくは山かんむりに鳥)と角田健一氏は、「データ連携の幅が広がった結果、従来は複数システムに多重で保持していたデータを統合できた。担当者の習熟度が上がれば、さらなる開発・保守工数の削減が可能だと手応えを得ている」と話す。今後は、ASTERIA Warpによるデータ連携を全社に拡大し、データ連携システム拡張の内製化にも積極的に取り組む計画だ。

(※)この記事は本多和幸氏と谷川耕一氏によるIT事例メディア「CaseHub.News」に掲載された「dinos、データ連携基盤を刷新 既存資産を活かし通販業務を効率化」(2026年4月8日)を、TechTargetジャパン編集部で一部編集し、転載したものです。


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