診療所向け電子カルテ製品紹介:日立メディカルコンピュータ
診療所のIT化を統合的に支援する「Doctor-SEED i」
診療所がレセコンや電子カルテを導入する際には、それぞれのニーズに応じたIT化を進めるのが理想的だ。今回は、診療所のIT化を統合的に支援する日立メディカルコンピュータの製品を紹介する。
日立メディカルコンピュータ(以下、日立メディカル)のメディカル事業部 営業本部 営業統括部 首都圏支店 副支店長の牧内啓行氏は「診療所における理想的なIT化は医師のニーズによって異なり、いきなり全てを電子化してしまうと大きな負担がかかることもある」と説明する。その上で、同社では「まずは、身近な部分からIT化を進めてもらうことを提案することも少なくない」と語る。
日立メディカルでは、診療所向けの院内情報統合システム「Doctor-SEED i」を提供している。牧内氏によると「Doctor-SEED iでは、レセコン、診療支援システム、電子カルテという区分にこだわらず、最適なIT化の導入が可能だ」という。
電子カルテ導入の一歩手前までのIT化
Doctor-SEED iは、受付・会計・保険請求などのレセコン機能を活用できる「Compact」、紹介状や検査結果値グラフ表示などの診療支援機能を活用できる「Basic」、さらに院内の情報化や電子カルテ機能などを含めた統合的なIT化を実現する「Advanced」という3段階の提供パターンを用意しており、ステップアップ方式による導入が可能だ。
Doctor-SEED iでは診療支援機能を活用することで、電子カルテの入門的な運用ができる点が特徴だ。「まだ電子カルテは必要ないと考えているドクターでも、IT化のメリットを体感することで、最終的に総合的な電子カルテの導入に踏み切る場合も多い」(牧内氏)。さらに、Doctor-SEED iではステップアップすることで電子カルテへ切り替える際にも費用負担が少なくて済むというメリットがあるという。
| 提供機能 | 概要 | 提供パターン |
|---|---|---|
| 受付・会計・保険請求 | 患者登録 受付、会計 処方・処方行為入力 病名入力 簡易予約 レセプト発行 レセプト電算処理 レセプトチェックシステム レセプトオンライン請求 |
Compact/Basic/Advanced |
| 診療支援 | 文書作成 検査結果値グラフ 簡易画像管理 院内伝達メモ、アラート |
Basic/Advanced |
| 院内情報化・電子カルテ | 家族歴 問診入力 主訴、所見入力 シェーマ入力 定期処方登録 禁忌薬剤登録 相互作用チェック 添付文書参照 各種検査機器連動 |
Advanced |
Doctor-SEED iは同社のレセプトチェックシステム「べてらん君コラボ」を標準搭載している。牧内氏によると「レセプトが電子化したことで支払機関の審査が厳しくなり、院内での点検作業も複雑化している。紙ベースでは複数月をまたいだ縦覧チェックなどを手作業で行うことは厳しい」という。べてらん君コラボでは、50以上に細分化されたカテゴリでの精密なチェックが可能。さらに、レセプト請求のオンライン化にも対応しており、請求時にはVPN接続によってDoctor SEED-iから直接、審査支払機関にアクセスすることもできる。
診療支援機能では、紹介状や診療情報提供書などの各種文書のテンプレートを活用できる。患者基本情報や検査画像、病名など、必要なデータを取り込むことで文書作成作業を効率化する。さらに、指タッチで操作が可能な「L Bord機能」を搭載しており、PCに不慣れな医師でも情報参照を容易に行えるように設計されている。
紙カルテそのままのイメージ
Doctor-SEED iの入力画面は、紙カルテ2号用紙のイメージ。一般にペンタブレットとキーボードを併用して入力する電子カルテが多いが、Doctor-SEED iでは画面に直接ペン入力するだけで完結できるようになっており、従来の紙カルテと同じ感覚で操作できるという。また、薬剤や処置行為、検査項目などの画面レイアウトを医師の診療スタイルに合わせて変更できたり、主訴や所見、オーダー、シェーマなどの項目をセット登録して活用できる機能を備えている。
中でも、シェーマに機能を付加した「SEEDプレート」を活用すると、ペン入力のみで複合的な組み合わせのオーダー内容を自動反映でき、診療情報の入力を簡素化できる点が特徴だ。例えば「インフルエンザ予防接種」では、シェーマ内の「陽性」というチェックボックスをクリックするだけで、病名や処方薬がカルテに自動的に反映される。また、「バイタルサイン」では入力した検査数値を「検査結果値管理」に直接反映させ、グラフに表示することもできる。
診療科や診療所ごとに適切な導入が可能
Doctor-SEED iの最小構成は2台からで、各種検査機器や病院システムとの連携も可能だ。牧内氏によると「Doctor-SEED iでは、診療科ごとに特有な環境でも適切に導入できる点が強みだ」と説明する。
例えば、一日の診察患者数が多い耳鼻科や皮膚科では、全ての診療情報を医師が入力すると大きな負荷がかかる。Doctor-SEED iでは同時に複数の端末から同一のカルテの参照や入力が可能で、医師が所見を、クラークが処置や投与薬の情報などを同時入力できる。
また、産科婦人科では超音波検査と直接画像データの授受を行ったり、産婦人科向け医療情報システム「Medic Plus」と連携した入院カルテや看護記録などのきめ細かい管理も可能だ。さらに、端末を壁に掛けることで、省スペースを図った事例もある。その他、地域医療連携ネットワーク「ID-LINK」と連携したり、カルテ参照サーバを構築することで往診先からiPadなどの携帯端末によるカルテ情報の参照などもできる。
今後は調剤薬局との連携も視野に
Doctor-SEED iの導入後は、マスターデータやプログラムなどのダウンロードを含めたリモートメンテナンスによるアフターサービスを利用できる。さらに「30年間のレセコン導入実績から導入後サポートは非常に重要と考え、担当者による訪問も実施している」(牧内氏)。
今後日立メディカルでは、医科や歯科、調剤薬局などに提供しているレセコンを軸にして、政府のIT戦略「どこでもMY 病院」構想にある「調剤薬局における明細書や薬剤情報提供書の電子化」(2013年以降)を見据えた連携強化などを進める予定だ。
| 項目 | 詳細情報 |
|---|---|
| システム構成 | 最小2台構成 |
| 費用(税込み) | 個別見積もり |
| 入力方法 | ペンタブレット(マウス、キーボードにも対応) |
| 保守体制 | コールセンターやリモートメンテナンスなどのアフターサービスを利用できる |
| レセプト機能の有無 | あり(レセプトチェックシステム「べてらん君コラボ」を標準搭載) |
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