XenServerに対するユーザーの反響は?
Citrixが「XenServer 6.0」でVMwareへの対抗を強化
XenServer 6.0では、プライベートクラウドとパブリッククラウド間での作業負荷の移動、管理を行いやすくするための機能が追加される見通しだという。
米Citrix Systemsが「XenServer 6.0」の開発を進めている。同社は最近、XenServer 6.0のβ版を公開した。
XenServer 6.0対VMware
Citrix Systemsは以前からサーバ仮想化市場のニッチを開拓するための取り組みを進めており、XenServer 6.0の開発もその一環だ。XenServerは、Citrix Systemsのアプリケーション仮想化ソフトウェア「Citrix XenApp」やデスクトップ仮想化ソフトウェア「Citrix XenDesktop」の他、各種のソリューションに対応する人気の仮想化プラットフォームだ。
米東海岸に拠点を置く、Citrix Systemsのあるパートナー企業の幹部によると、XenServer 6.0には、プライベートクラウドとパブリッククラウド間での作業負荷の移動や管理を行いやすくするための機能が追加される見通しだという。
「今後しばらくはクラウドが市場を席巻することになるというのが、Citrix Systemsのメッセージなのだろう」とこの幹部は語り、次のように続けている。「その流れにうまく乗った方がいいというのが、われわれの考えだ。顧客の観点からもそれは同じだろう。皆にメリットがもたらされる」
ただし一部のユーザーからは、「米VMwareに対抗してCitrix Systemsが勢いを伸ばすには、もはや時期が遅過ぎる」との声も上がっている。
「XenServerはバージョン5でかなりの機能強化が施された。ネットワークとストレージに関しては、特にそうだ。おかげで私は、XenServerを常駐のハイパーバイザーとして使用する可能性をこれまでよりも真剣に検討しようかと思い始めたほどだ」と語るのは、米中西部でプレスクールプログラムのシステム管理者を務めるフィル・ドメイヤー氏だ。だがこのプレスクールプログラムでは、一部にXenServerを採用しているが、大半はVMwareを稼働させているという。「私は現在、VMwareを快適に利用しており、今の状態に満足している。トラブルもほとんどない。いかにXenServerが優れていても、今すぐXenServerに乗り換える理由より、このままVMwareを使い続ける理由の方が多いというのが本当のところだ」とさらに同氏は語っている。
ドメイヤー氏の事業部では実際、Citrix XenAppをVMwareで実行し、幾つかの仮想アプライアンスでは「XenServerプラットフォーム上の方が動作がスムーズだから」との理由でXenServerを使っているという。
「うまくいけば、XenServerはフルバージョンアップによってさらに成熟した製品と見なされ、人々はもっと真剣に採用を検討し始めるようになるかもしれない」と同氏は言う。
だがCitrix Systemsにとっては残念なことに、中にはXenServerに二度目のチャンスは与えない企業もあるかもしれない。実際、XenAppとXenDesktopを利用している米中西部のある企業はそうだった。
「ビジネス部門はXenServerを気に入った。だがXenServerを随分前からある製品とは認識せず、Citrix Systemsが完成させたばかりの新製品だと思ってしまった。そして、“VMwareは昔からある製品だから、われわれも安心して使える。Citrix Systemsにはまずはバグを解決してもらい、また数年後に検討しよう”と考えたのだ」とこの企業のIT担当者は語っている。
「そして幹部はXenServerよりもVMwareを選び、結局、その後の見直しは行われていない」とさらにこのIT担当者は続けている。
だが前出の米東海岸のCitrix Systemsパートナーによると、XenServerにも躍進のチャンスはあるという。なぜなら「Site Recovery Manager」など、VMwareの高度な機能の中には、小規模企業には不要であるにもかかわらず料金の高いものが多いからだ。
「VMwareにはあまりに多くの機能が追加され、顧客は一体何に対して料金を支払っているのか、何を実行したいのか、訳が分からなくなっている」と同氏。
さらにこのパートナー企業によれば、Citrix Systemsはサーバ仮想化市場でもっと攻撃的になる必要があり、米Microsoftの感情を損ねることをあまり恐れるべきではないという。
「勇気を出して市場に打って出れば、大きな一石を投じることになるだろう」とこの幹部は言う。
XenServer 5.6 Feature Pack 2
さらにCitrix Systemsは2011年5月12日、「XenServer 5.6 Feature Pack 2」をリリースした。Feature Pack 2では、幾つか高度な機能に変更が加えられ、管理者が導入や設定を行いやすくなっている。
米南東部に拠点を置く、Citrix Systemsのあるパートナー企業のプロジェクトマネジャーは、こうした変更の狙いは、XenServerを「各種の追加の設定を施さなければならないハイパーバイザー」としてではなく「統合された製品」として見てもらえるようにすることだと指摘する。
「XenServerはだんだん複雑になっていたが、今はそれが解消されつつある」とこのプロジェクトマネジャーは語る。
変更点の1つは、「StorageLink Gateway」に関するものだ。StorageLink Gatewayは、XenServerがストレージにアクセスし、ストレージ管理をアレイコントローラーにオフロードできるようにするためのもの。現行のStorageLink Gatewayは幾つかのコンポーネントと独自のグラフィカルユーザーインタフェースを備えており、個別の設定を必要とする。XenServer 5.6 Feature Pack 2では、StorageLink Gatewayはサーバ構成設定プロセスに完全に統合され、ドロップダウンメニューからアクセスできるようになっている。
さらにCitrix Systemsの公式ブログ(同社のエンジニア ディーン・スミス氏の投稿)によると、同社は現在、「XenServer Workload Balancing」の導入方法を変更中であるという。XenServer Workload BalancingはLinuxベースの仮想アプライアンスとして提供され、個別のインストーラやライセンス契約が不要になる見通し。「新しいXenServer Workload Balancingを実行するには、Citrix.comからこの仮想アプライアンスをダウンロードして、XenServerプールにインポートし、アプライアンスを始動させて、幾つかの基本的な質問に答えるだけでいい」とスミス氏はブログに書いている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社MatrixFlow] 「物流リソース最適化」ガイド:人員・配車・傭車を出庫依頼の確定前に決めきる -
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
2
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
3
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
4
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
5
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
6
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
7
「結局使わなくなる」Microsoft 365 Copilotを半年で定着 キリンの3施策
-
8
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
9
「中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティ運用実態」に関するアンケート
-
10
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー