最大速度は7Gbps──ギガビット無線LAN 802.11acと802.11adの基礎ギガビット無線LAN 802.11ac/802.11ad(前編)

IEEE 802.11nにより無線LANは100Mbpsを超える転送速度に達したが、次世代のIEEE規格である802.11acと802.11adは、無線LANの転送速度をギガビットに引き上げようとしている。

2011年06月27日 10時21分 公開
[Lisa Phifer,TechTarget]

 IEEE 802.11nの導入がかなり進んでいるが、企業はギガビット無線LANに目を向け始めている。

 IEEEでは、さまざまなチャネルによるギガビット無線LANの実現を目指すIEEE 802.11ac規格とIEEE 802.11ad規格の策定が、ワーキンググループによって進められている。802.11acは、ギガビットスループットを6GHz以下の周波数帯、具体的には2.4GHz帯と5GHz帯で提供することが規定されている(900MHz帯でも提供することになるかもしれない)。このため、802.11nから移行しやすい。一方、802.11adは、802.11acと同じ基盤技術を採用するが、免許不要の60GHz帯を使ったごく短い距離でのギガビット通信を可能にする。

最大7Gbpsを実現する802.11ac

 ベンダーが次世代製品として、IEEE 802.11n対応製品を盛んに宣伝するようになったのは、ほんの1年前のことだ。802.11nでは、最大データ転送速度が802.11a/gの54Mbpsから600Mbpsに向上している。だが米In-Statは、2012年末までに、802.11acのドラフト規格に対応し、最大転送速度が1Gbpsを超える製品が登場すると予想している。それはまだ序の口だ。IEEEが802.11acと、その短距離通信版である802.11adを標準化するまでに、これらの規格の最大速度は7Gbpsという一段と高いレベルに達する見通しだ。

 ただし、これらの最大速度は、あくまで理論値だ。802.11a/gの実効スループットは、最大でも30Mbps程度にとどまり、AP(アクセスポイント)と端末が離れるほど低下していた。同様に、802.11nの実効スループットも、現在の3×3 MIMO(Multiple Input Multiple Output、MIMOについては「無線LANアンテナを理解する PART3」も参照)対応APで40MHzチャネルを使用する場合、300Mbpsをはるかに下回る。

関連ホワイトペーパー

IEEE | 無線LAN


ITmedia マーケティング新着記事

news079.jpg

狙うは「銀髪経済」 中国でアクティブシニア事業を展開する企業とマイクロアドが合弁会社を設立
マイクロアドは中国の上海東犁と合弁会社を設立。中国ビジネスの拡大を狙う日本企業のプ...

news068.jpg

社会人1年目と2年目の意識調査2024 「出世したいと思わない」社会人1年生は44%、2年生は53%
ソニー生命保険が毎年実施している「社会人1年目と2年目の意識調査」の2024年版の結果です。

news202.jpg

KARTEに欲しい機能をAIの支援の下で開発 プレイドが「KARTE Craft」の一般提供を開始
サーバレスでKARTEに欲しい機能を、AIの支援の下で開発できる。