米TechTarget調査から見える仮想化の最新動向【前編】
VMwareはなぜ選ばれるのか? 仮想化上位3製品の動向をひも解く
多数の仮想化ベンダーがひしめきあう中、今日のハイパーバイザー市場における主要プレーヤー3社を確認するとともに、自社のインフラに最適な製品を選択をする上での基準を示す。
多数の仮想化ベンダーと仮想化製品がひしめきあい、企業買収も盛んに行われる中、今日のハイパーバイザー市場の状況を把握するのは容易なことではない。ほんの数年前までは、仮想化というコンセプト自体が「興味深い技術」という程度にしか考えられていなかったが、米TechTargetの最近の調査では、現在、何らかの形で仮想化を導入している企業は少なくとも60%に上ることが分かった(TechTargetジャパンの調査:今後導入したいハイパーバイザー、Hyper-Vが伸びXenServerは横ばい)。
本稿では、今日のハイパーバイザー市場における主要プレーヤーを確認するとともに、自社のインフラに最適な選択をする上での基準を示す。
仮想化ベンダー各社の特徴
ハイパーバイザー市場の現状を把握するには、まずどんなプレーヤーが存在し、市場全体に対する各社のシェアがどの程度であるのかを知る必要がある。サーバ仮想化分野の最大手3社は米VMware、米Microsoftそして米Citrix Systemsで、それぞれが提供するVMware vSphere、Hyper-VおよびXenServerが市場の上位3製品にランクされている。
米TechTargetが2011年に実施した調査によると、これらの仮想化ベンダーの「ビッグスリー」で仮想化市場の80%以上のシェアを占めている。この中で文句なしにリーダーと見なされているのがVMwareであり、調査の結果でも、同社のハイパーバイザーの主要バージョンで70%以上の市場シェアを確保していることが示された。
この他の仮想化ベンダーとしては、米Oracle、米Red Hat、米Hewlett-Packard(HP)などが存在し、各社のハイパーバイザーも選択候補となり得る。しかしこれらのハイパーバイザーを全部合わせても、市場全体に占めるシェアはごくわずかである。企業のデータセンターがビッグスリー以外のベンダーのハイパーバイザーを選ぶのは、ほとんどの場合、特定のサーバやOSを使用しているために互換性とサポートを確保する必要があるというのが理由だ。
ハイパーバイザーの種類:目的は同じでも異なる手段
上位3製品はいずれも「ベアメタル」(Type1)型のハイパーバイザーで、サーバのハードウェアリソースに直接アクセスする。これにより、より多くの仮想マシン(VM)を1台のサーバ上に置くことができ、しかも各VMのパフォーマンスも改善できる。基本的に、OSはハイパーバイザー上で動作する。
これに対し、「ホステッド」(Type2)型のハイパーバイザーでは、サーバOSが先に読み込まれ、それからハイパーバイザーがOS上で起動する必要がある。ハイパーバイザーとサーバとの間にもう1つの層が存在するため、パフォーマンスに影響が生じたり、サーバ上のVMの数が制限されたりする。
ハイパーバイザーの仕組みに関する記事
あらゆるハイパーバイザーの基本的な役割はほとんど同じだ。どんなハイパーバイザーでも、隔離された環境(空間)を各VM用に確保し、各VMにサーバリソースを割り当ててそれを管理し、そして各VMの動作をサポートしなければならない。ハイパーバイザーがこれらの基本目的を達成するための手段や各製品が備える機能が大きく異なる場合もある。
例えば、VMware vSphereは、vMotionやDistributed Resource Scheduler、ストレージ関連のマイグレーションなどの機能を備えている。これに対し、Hyper-Vには、ライブマイグレーションやシンプロビジョニングといった機能が含まれている。
仮想化技術に詳しいビル・クレイマン氏によると、どのハイパーバイザーを選択するかという問題は結局、サポート、実績およびワークロードとの互換性という点に行き着くという。「あまり知られていないハイパーバイザー、例えばProxmoxを採用するという選択肢も当然ある。しかしこういった仮想化プラットフォームの場合、主要アプリケーションやハードウェアベンダーがサポートしていないというリスクも考慮に入れなければならない」と同氏は指摘する。
サポートおよび互換性の有無という面では、実績のある製品を提供している大手ベンダーの方にどうしても軍配が上がる。クレイマン氏によると、サポートの問題はコスト面への考慮を十分帳消しにするという。無名の製品は安価かもしれないが、これらの製品に対応したデータセンターを設計、検証、評価、サポートするというのは、長期的に見た場合、ハイパーバイザー市場をリードする製品を使うよりもコストが高くなる可能性があるからだ。
「オープンソースベンダーや名の通っていないベンダーでも、必ず業界に居場所がある。ハイパーバイザーの設定やトラブルシューティング、テストなどに十分な時間をかけることができる企業が存在するからだ」とクレイマン氏は語る。
後編では、仮想化がもたらす効果と、仮想化が必要ない理由について取り上げる。
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米TechTarget調査から見える仮想化の最新動向
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