クラウド依存の危険性が指摘される一方で……
障害が何度起きても「Gmail」が使われる理由
Gmailが2013年9月下旬に大規模障害に見舞われ、一部のメールに遅延が生じた。クラウドベースの電子メールシステムを検討する企業には、大きな不安材料だろう。一方のGoogleでは、今後の障害に備え対策を講じているという。
ネットワークを2重にし、冗長化を図っていたにもかかわらず、米Googleのメールサービス「Gmail」は2013年9月下旬、大規模障害に見舞われた。一部のメールの添付ファイルが最大2時間遅延し、ダウンロードできないという現象が発生した。
このサービス障害を受け、Googleでは現在、ネットワークと災害復旧(DR)手順の見直しを進めている。
原因は2重のネットワーク障害
Google Appsサービスのパフォーマンス情報を掲載する「Appsステータスダッシュボード」に最初の障害報告が投稿されたのが9月23日午後3時25分(米国時間)。Gmailが完全復旧するまでおよそ12時間を要した。
Gmail担当サイト信頼性シニアエンジニアリングマネジャーのサブリナ・ファーマー氏は今回のサービス障害について、「メール配信の遅延は、2重に発生したネットワーク障害が原因だった。2つに分離され、冗長化されたネットワークパスが、同時に機能停止するケースは非常にまれである。2件のネットワーク障害に相互の関連性はないが、同時に発生したことで、Gmailのメール配信能力に余裕がなくなり、太平洋標準時間午前5時54分から遅延が発生し始めた」とブログ投稿で説明した。
29%のユーザーがサービス障害の影響を受けた。ファーマー氏によると、遅延したメッセージのうち、大容量ファイルが添付された1.5%は、最大2時間の遅延が発生したという。
障害復旧のため、Gmail担当のネットワークチームは失われた一部のネットワークキャパシティーを回復し、追加のキャパシティーを臨時で確保した上で、メッセージの遅延を処理した。
早急に求められる対応策、問題の長期化で顧客離れの可能性も
今回は壊滅的な被害を及ぼす事態へと発展することはなかった。だが、クラウドベースの電子メールシステムやSaaSを運用するためにGoogleなどのサービスプロバイダーを頼りとしている企業にとって、今回の障害は不安材料となるだろう。
これに対し、ファーマー氏は「われわれは、極めてまれな2重のネットワーク障害が発生した際でも、Gmailのバックアップキャパシティーを含め、十分なネットワークキャパシティーを確保するための対策を講じている。さらに、今後、万一同様の障害が発生した場合、ネットワークキャパシティーの不足からより早く回復できるようGmailのメッセージ配信方法も変更する計画だ。最後に、ネットワーク問題により迅速かつ効率的に対応できるよう社内体制を改善する」と説明している。
人材紹介サイトを運営する英Reed.co.ukは、今回のサービス障害の影響を受けなかったが、技術担当ディレクターを務めるマーク・リドリー氏は、「エンドユーザーとのコミュニケーションが非常に重要だ。(Gmailの障害で)影響を受けたとしても、(イントラネットの)Jiveや電話で直接部門にコミュニケーションを取れる。あるいは昔ながらに、大声を張り上げてチームに指示する方法もある」と述べる。
この問題が長引けば、同社は代替となる電子メールシステムを検討する必要があるだろう、と同氏は話す。「しかしながら、こうした問題があってしても、自社で電子メールシステムを運営するよりも、Google(あるいはOffice 365、ホスト型Exchange)を利用する方が安全であると確信している」(リドリー氏)
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