プロバイダー選定の条件
iPhone/Androidアプリ開発、悲劇的な「安物買いの銭失い」を避けるためには?
モバイルアプリケーション開発プラットフォーム(MDAP)はモバイルアプリの開発を容易にするが、これらのサービスには注意を要する欠点も存在する。
モバイルアプリケーション開発プラットフォーム(MADP)には、潜在的な欠点が伴う。このため組織は、MADPプロバイダーの選定には注意が必要だ。
MADPはテンプレートと最小限のコードで開発できるツールを提供し、特に開発用の人材を持たない組織にとって、モバイルアプリの構築と配布をより簡単にする。しかし、IT部門はMADPプロバイダーが提供する機能により制限も受ける。
例えば、そのサービスがカスタマイズをサポートしていても、スクラッチで構築したアプリと比較した場合、開発者が組み込める機能には制限がある。自社独自のアプリを構築(または外注)するのであれば、製品を自分のビジネスニーズに完全に合わせることができる。MADPを使用すると、組織はプラットフォームが許容する限りのことしかできない。これは、ユーザーエクスペリエンスとビジネス要件を損なうことを意味する。
組織はまたその他の問題の中でも、限定されたデータソース、APIの粒度におけるミスマッチ、クラウドの統合問題、ライフサイクル管理機能の制限、モバイルデバイス管理(MDM)との統合の不備といった、MADP技術の制限に起因するバックエンドの問題に遭遇する可能性がある。
もう1つの問題は、組織がプラットフォームにしばられ、MADPプロバイダーの性能、サポート能力、システムの信頼性に翻弄されることだ。さらに悪いことに、プロバイダーはアプリケーションのソースコードを全て所有しているため、そのプラットフォームから撤収するにも費用が掛かる。もちろん、MADPプロバイダーには考慮すべき独自の評価もあり、可能な限り良いサービスを提供することを望んでいる。しかし問題は起こり得る。そして定期サービスを利用する組織には償還請求権はほとんどない。万一プロバイダーが倒産した場合、定期サービス利用者には何も残されない。
もう1つの考慮すべき重要な点は、長期間に渡るコストだ。簡単に言うと、定期サービス料は加算される。このため、MADPプロバイダーが最初の立ち上げ費用を大幅に削減したとしても、モバイルアプリ開発におけるコスト削減は長期間続かない可能性がある。
MADPプロバイダーに期待するもの
幾つかの問題にはあっても迅速で安価という利点があるのだから、リスクを冒す価値はあると多くの組織が考えるだろう。だから、MADPプロバイダーを捜し求めるとき、判断材料として覚えておくべきことがある。
最も重要な考慮すべき事項は、開発プラットフォーム自体だ。MADPサービスは、現在および近い将来にユーザーが望む種類のアプリを構築するために必要なツールとコンポーネントを全て提供する必要がある。
例えばプラットフォームは、共通の開発基準を使用し、必要なバックエンドサービスを提供する。アプリの種類や将来のOSに関わらず一貫したユーザーエクスペリエンスの提供を支援するため、ここはサードパーティーアプリのスクリプトライブラリへのアクセスができるようにすべきである。またIT部門は、アプリのライフサイクル全体を管理できるはずである。このため、アプリはさまざまな段階でユーザーが利用できる。
アプリが動作する予定のモバイルOSも同様に重要である。組織が米AppleのiOS、米GoogleのAndroid、米MicrosoftのWindows上で操作可能なアプリを必要としている場合、AndroidのみをサポートするMADPプロバイダーを選択しても意味がない。またMADPプロバイダーを選定する前に、構築したいアプリがネイティブアプリなのか、Webアプリか、それともハイブリッドアプリか、確認が必要だ。
プロバイダーを選定する際のもう1つの大きな懸念事項は、セキュリティである。プロバイダーがサポートする識別情報管理の種類とポリシーサービス、使用する暗号化の種類、暗号化キーが保存される場所、アプリのセキュリティが既存のシステムにどのように統合されるかを調査した方がよい。
またMADPアプリは、使用する組織のデータアクセスポイントと統合すべきである。プロバイダーは業界標準に基づいた既存の企業アプリに対するAPIサポートを提供した方がよい。必要ならば、IT部門はプラットフォームとデータストレージ、クラウドサービス、MDMやモバイルアプリケーション管理製品といったサードパーティーツールを含むバックエンドシステムを統合すべきだ。
アプリケーションのライフサイクル全体を通して管理機能を提供するMADPサービスを探すとよいだろう。それには、アプリケーション構築プロセスを管理し、アプリのバージョン管理を提供し、アプリを配布し、全てのプラットフォームとデバイスにわたって動作を監視するツールが含まれる。パフォーマンスを追跡するためのリアルタイムでの監視、問題のトラブルシュート、アプリケーション使用率の分析の収集をサービスが提供するか、確認すべきである。
モバイルアプリケーション開発プラットフォームは、ユーザーのモバイルアプリのニーズに対する正しい手段だが、正しいプロバイダーを見つけることはIT部門が軽んじてはならないプロセスだ。
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