効果を疑問視する声も
“10億ドル詐取未遂”の再発防止へ、SWIFTが加盟銀行のセキュリティコントロール義務化(1/2 ページ)
SWIFT(国際銀行間金融通信協会)の新しいセキュリティポリシーは、加盟銀行に対してベースラインセキュリティコントロールを義務付けるものだが、専門家の間には、今回の改善策の強制力を疑問視する声もある。
SWIFT(国際銀行間金融通信協会)は、加盟銀行のセキュリティの改善に向け、ベースラインセキュリティコントロールの導入を求める予定だ。しかし、計画の詳細が明らかになっていないため、新ポリシー施行の実効性について懸念を抱いている専門家もいる。
SWIFTの銀行間メッセージングシステムは、大きく報じられたバングラデシュ中央銀行における10億ドル詐取未遂事件の発生以来、非難にさらされてきた。しかもセキュリティの改善に関する一連の発表は、人々の疑問に答えるよりも、さらに多くの疑問を呼び起こす結果になった。SWIFTのセキュリティ改善に向けた今回の最新プランは、ベースラインセキュリティコントロールを要求するもので、義務化と監査は2018年1月1日から施行される予定だ。
だがSWIFTは、要求するセキュリティコントロールの詳細をまだ発表していない。暫定的な詳細を10月にリリースし、2カ月間の検証の後、2017年3月末までに最終的なポリシーを発表する予定だとしている。つまり、加盟銀行は9カ月の間にSWIFTのセキュリティコントロール要件を実装すればよいことになる。
市場調査会社Gartnerの副社長兼上級アナリストであるアビバー・ライタン氏は、この要求の実装期限は厳格なものではないとみている。「これは砂の上に引いた線にすぎない。新たな制度が動き出すことにはなるだろうが、まだ公式にリリースされていない標準の実装検査を、監督機関が2018年1月に突然開始することはあり得ない。標準の順守を表明してないSWIFT会員への対応も弱い。順守を表明していない会員との取引を停止する銀行が出てくるかどうかも不明だ」(ライタン氏)
Tenable Network Securityでアジア太平洋地域担当技術ディレクターを務めるディック・バシエール氏は、プランに盛り込まれる透明性に関する要件に感心したという。
「興味深いのは、2018年1月1日以降は、全ての会員が同業者に対して順守状況を明らかにすることが求められることだ」とバシエール氏は話す。「特に評価できるのは、銀行が取引相手を選べるようになるからだ。順守状況が芳しくない銀行は、他の銀行から取引を敬遠されるかもしれない。これは当該国の監督機関が力を持っていない場合でも、順守を促す要因になる」(同氏)
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