「医師はAIを歓迎する」――実用段階に来た、日本の“AI医療”の姿とは難病を見抜く「IBM Watson」だけが医療AIじゃない(1/2 ページ)

医療分野では人工知能(AI)技術による診断支援や新薬開発といった用途に期待が寄せられている。しかし医療AIの普及には、医療保険制度を筆頭にクリアすべき課題がまだある。日本の医療AI開発の現状とは。

2016年11月09日 09時00分 公開
[三浦優子]

 

 近年の人工知能(AI)関連技術は目覚ましい進歩を示している。医療分野でも、AI技術による診断支援や新薬開発といった用途に期待が寄せられている。ただし、AI技術を使った医療行為と倫理の問題や診療報酬の問題など、クリアすべき現実的な課題は少なくない。

 こうした現実や課題をふまえ、日本の医療業界がAI技術をどのように活用しようとしているのか。それを考えるヒントとなるセミナーが2016年9月18日、日本橋ライフサイエンスハブ(東京都・中央区)で開催された。「AI×医療の“今”をつかみ“未来”をつくる」(主催:メドピア)と題するそのセミナーでは、実際にAI技術を医療に利用するサービスを開発している企業が登壇した。

 AI技術は医療分野でどの程度活用できるようになっているのか。幾つかの事例をセミナーの内容から紹介する。

AI開発の裏側にある医療データ獲得競争

       1|2 次のページへ

ITmedia マーケティング新着記事

news193.jpg

IASがブランドセーフティーの計測を拡張 誤報に関するレポートを追加
IASは、ブランドセーフティーと適合性の計測ソリューションを拡張し、誤報とともに広告が...

news047.png

【Googleが公式見解を発表】中古ドメインを絶対に使ってはいけない理由とは?
Googleが中古ドメインの不正利用を禁止を公式に発表しました。その理由や今後の対応につ...

news115.jpg

「TikTok禁止法案」に米大統領が署名 気になるこれからにまつわる5つの疑問
米連邦上院が、安全保障上の理由からTikTokの米国事業の売却を要求する法案を可決し、バ...