2014年06月02日 12時00分 公開
特集/連載

「Watson」の衝撃【前編】「人工知能」が医師や看護師代わりに? 意外な分野で進む実用化

米IBMの人工知能スーパーコンピュータ「Watson」が新たに開いた認識コンピューティングの可能性。人間を超える知性の医療業界での活用を考える。

[Stephanie Neil,TechTarget]

 医療業界は“情報爆発”という問題を抱えている。医師や保険会社は患者1人1人に必要な処置を素早く決定するのが困難になっている。「病歴」「数年分のカルテ」「臨床的証拠」を考慮する必要があるが、このように膨大な量の情報を処理するのは人間にとって容易なことではない。しかし、米IBMが開発した人工知能コンピュータシステム「Watson」にとっては赤子の手をひねるように簡単だ。Watsonは、膨大な量のデータに対して自然言語で投げ掛けられた質問を処理して、ほんの数分で根拠に基づいた回答を計算する。

 Watsonでは、100万冊の本に相当するデータを取捨選択し、情報を分析して、複雑な質問に対して正確な答えを出す。この一連の処理をたった数秒という時間でやってのける。保険会社の米WellPointは、それが医療業界にとって意味することをすぐに理解した。米インディアナポリスを拠点とする同社は、2年前からIBMとパートナーシップを結んでいる。そのパートナーシップを通じて、同社の3千を超える診療所のネットワークと連携し、患者への対応と治療選択肢の提示をほぼ瞬時に行っている。

看護師や医師と同じように考える

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