企業が移転先のオフィスを選定する際に、ネットワークのつながりやすさを重視する傾向が高まっている。その理由とは何か。オフィス選びのトレンドと併せて説明する。
米国と英国の商業不動産市場は、テレワークが普及した影響で厳しい状況に直面していたが、回復の兆しが見え始めている。ネットワークベンダーBoldyn Networksの調査レポート「Location. Location. Connectivity」は、ビジネスリーダーにとって、無線LANやモバイル通信の接続性が移転先のオフィスを選ぶ際の重要な要素の一つとなっていることを明らかにした。
この調査はBoldyn Networksが調査会社Lonergan Researchに委託し、2024年5月31日から6月8日にかけて、米国と英国のビジネスリーダー計2011人を対象にオンラインで実施された。
Boldyn Networksによると、調査結果は商業テナントにとって信頼性の高い接続性がますます重要になっていることを反映している。77%のビジネスリーダーが、今後5年以内にオフィスを新しい建物に移転することを検討しているという。
ビジネスリーダーが現在使用中のオフィスを選ぶ際に優先していた要素を問う設問では、立地が57%で最も多く、無線LAN(Wi-Fi)のつながりやすさ(50%)と賃料(47%)がそれに続いた。
回答者の5人中4人(83%)が、ネットワーク接続が途切れないことが従業員の生産性に直接影響を与えると考えた。94%の回答者が、よりセキュリティが高く途切れないネットワーク通信を実現するために、家賃を多く支払う意思があると述べている。
センサーやエッジコンピュータを利用して照明や空調、防犯システムを制御するスマートビルディング技術の需要も高まっている。調査会社Fortune Business Insightsが2024年12月に発表したスマートビルディング市場の調査結果によると、2023年の全世界のスマートビルディングの市場規模は969.6億ドルで、2032年には5680億2000万ドルに達すると予測している。スマートビルディングの需要の高まりには、施設管理者や施設に入居する企業にとって二酸化炭素排出量の削減や設備管理の効率化が課題となっていることが背景にある。
Boldyn Networksの調査によると、米国と英国の回答者の10人中9人が、スマートビルディングシステムがビジネスに有益だと回答した。調査回答者は、温度管理や施設管理用のアプリケーション、駐車場やスタッフの交通量を管理するセンサーなどを施設に配置することが、施設利用者の体験を向上させると考えている。Boldyn Networksの英国・アイルランドの商業ディレクターを務めるギアロイド・コリンズ氏は次のように話す。「英国は、2030年までに全ての新しい建物をネットゼロエミッション(温室効果ガス排出量実質ゼロ)にすることを目指している。ネットワークで施設の各システムが接続されたスマートビルディングは、企業が炭素排出量を削減するための重要な手段となる」と述べた。
Boldyn Networksは、通信が途切れず、高速なネットワークが新しいサービスやアプリケーションの活用を支援し、労働者の働き方を変えることを強調した。不動産所有者は、スマートシステムを導入する準備を整え、入居者の増大するニーズに応える必要があると同社はアドバイスする。企業でAI技術をはじめとしたデータ分析技術の採用が進む中で、ネットワークのつながりやすさはさらに重要になる。
Boldyn Networksの米国最高商業責任者であるジェイソン・カリエント氏は次のように主張する。「オフィスの借主の期待に応えるために、最近の不動産事業者はネットワークインフラを重視している。優れたネットワークは、オフィスに入居する企業の事業を活性化し、従業員の満足度を高める」と述べた。
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