2017年10月19日 08時00分 公開
特集/連載

SANの導入以来の大きな変化「ストレージコントローラーはもう必要ない」──実際にやってみた

今や、ストレージコントローラーがボトルネックになっているという。実際にストレージコントローラーを排除したシステムでパフォーマンスはどの程度向上するのか。

[Antony Adshead,Computer Weekly]
Computer Weekly

 ストレージコントローラーはもう必要ない。ハイパーコンバージドアプライアンスメーカー、Scale ComputingのCEOジェフ・レディ氏はそう確信している。

Computer Weekly日本語版 10月18日号無料ダウンロード

本記事は、プレミアムコンテンツ「Computer Weekly日本語版 10月18日号」(PDF)掲載記事の抄訳版です。本記事の全文は、同プレミアムコンテンツで読むことができます。

なお、同コンテンツのEPUB版およびKindle(MOBI)版も提供しています。

ボタンボタン

 レディ氏は本誌Computer Weeklyのインタビューに応じ、現行のストレージアーキテクチャは変わらなければならない、ストレージコントローラーを入出力(I/O)パス上に配置した状態では、NVMe(Non-Volatile Memory Express)フラッシュは本来の性能を発揮できないという持論を展開した。

 「これまでストレージは、処理性能上のボトルネックだった」と同氏は話す。「しかし、今のボトルネックは他のコンポーネントだ。少し前から、ストレージコントローラーのCPUがボトルネックになっているという話を聞くようになったが、今は実際にそうなっている。コントローラーは排除しなければならない。NVMeとコントローラーを併用する正当な理由が見当たらないからだ。コントローラーはもはや不必要なものだ。これは、SANの導入以来の大きな変化だ」

 レディ氏の一連の発言は、Scale Computing製品のレイテンシに関する発表の後に行われた。その発表とは、同社は実測値(注)で、NVMeとNANDフラッシュを使った4ノードのスケールHC3クラスタ構成でレイテンシ150マイクロ秒を、またNVMeと「Intel Optane」、つまり3D XPointを採用したメディアを搭載したシステムで20マイクロ秒の低レイテンシを、それぞれ達成したというものだった。

注:Scale Computingの発表によると、同社が性能評価を実施した環境は、4ノード構成のHyperCore-Directで、読み取りと書き込みの両方のワークロードをランダムに混在させ(読み取り90%、書き込み10%)、24台の仮想マシンで実行したという。

 同じくNANDとNVMeを配置したクラスタでは、260万IOPS(1秒当たりの入出力処理回数)を達成している。

 この値を、「標準的な構成」のレイテンシと比べてみよう。例えば、SCSIとSAS接続のフラッシュドライブの場合、数百マイクロ秒から数ミリ秒程度。既存のフラッシュ製品の場合、IOPSは大抵数十万程度だ。

 Scale Computingは、同社がこれほどまでの低レイテンシを実現できた理由を「実行環境からコントローラー、ストレージプロトコル、ファイルシステムを排除したから」としている。

 「旧来のワークロードは設計がいまひとつで、マルチスレッドの効果を十分生かせない」とレディ氏は指摘する。「どのデータもファイルシステムを経由して、仮想マシン(VM)の周囲を飛び回ることになる」

 「また、ユーザー空間とカーネル空間の間のコンテキストスイッチもある。これはワークロードの処理中はずっと発生するが、以前なら問題とは見なされなかった。なぜなら昔は、呼び出し1回に20マイクロ秒かかっても問題ないと考えられていたからだ。ところが今は、これでは困る。特にOptaneや3D XPointを導入した場合はそうだ」

 Scale Computingが実施したテストは、同社の(現時点では未発売の)「HyperCore-Direct」に「Windows 7」マシンを接続したとレディ氏は明かす。この構成ではパフォーマンスに課題があることが知られている一方で、旧バージョンのWindowsを使っているユーザーはまだまだ多いからだ。

 「Windows 7のVMには仮想スタックがあり、ファイルシステム(例えばVMFS:仮想マシンファイルシステム)上には仮想コントローラーが配備される。そして仮想OS上で、またもやファイルシステムが稼働している。NetAppの製品には、独自のWrite Anywhere File Layout(WAFL)ファイルシステムを搭載しているものがあるので、当社の環境はそれに似ているかもしれない」と同氏は語る。

 「データがファイルシステム内を移動するたびに、100マイクロ〜200マイクロ秒のコストがかかる」

ストレージコントローラーを排除

この記事を読んだ人にお薦めの関連記事

この記事を読んだ人にお薦めのホワイトペーパー

Loading

注目テーマ

ITmedia マーケティング新着記事

news015.jpg

Facebookで”刺さる”動画広告の条件とは? 中の人が解説
Facebookの人ベースの広告で良い結果を生むため、広告表現(クリエイティブ)はいかにあ...

news054.jpg

アイレップ、フルファネルマーケティングを強化する分析システム「Per-SONAR Powered by Marketia」を提供
アイレップは、フルファネルマーケティングを強化する分析システム「Per-SONAR Powered b...

news008.jpg

Webサイトのスピード改善はUI/UX改善以上に効果あり――ゴルフルダイジェスト・オンライン担当者が断言
Webサイトの表示速度改善は離脱を減らしコンバージョンを増やすために取り組むべき重要課...