プライベート/パブリッククラウドとローカルの間に設置し、各種ストレージを統合するのがクラウドストレージアプライアンスだ。目的や用途に最適なアプライアンスを選ぶには、その機能を理解する必用がある。
クラウドストレージアプライアンスの導入が増えている。このアプライアンスがトランスレーターやアクセラレーターの役割を果たすことで、クラウドストレージがパブリックであろうがプライベートであろうが、ローカルストレージと同様に扱えるようになる。
そもそもこのアプライアンスはなぜ必要なのか。クラウドストレージは今や、
など、さまざまな利点が認知されるようになった。個人がスマートフォンの写真やメールを保存する程度なら、クラウドのこうした利点を簡単に享受できる。しかし企業の大規模システムにクラウドストレージを導入するとなると、個人利用と同じようにはいかない。
Webアプリを使ってクラウドストレージに携帯端末のバックアップを保存するのと、エンタープライズアプリケーションにクラウドストレージを組み込むのとでは、全く勝手が違う。たとえそれがファイル共有のように単純な処理であってもだ。クラウドストレージはほとんどの場合、オブジェクトベースでステートレスであり、Web対応のAPIからアクセスされる。それに対して、エンタープライズソフトウェアはファイルまたはブロックベースだからだ(もっとも最近、エンタープライズアプリケーションではこの状況が少しずつ変わってきている)。
一般家庭やカフェでは、複数のユーザーがそれぞれ多様なアプリやサービスを問題なく使えるとしても、職場では業務ユーザーのチームが幾つもあり、全チームがコラボレーションする。従って、全員が同一のアプリケーションとデータセットを共有したり、そのオフィスにいる全員がインターネット接続を共有したりする。全員のアプリケーションが、一般家庭やカフェでのように順調に動作するとは限らない。
レガシーのエンタープライズアプリケーションと異なり、Webアプリはレイテンシや帯域幅の問題を考慮に入れて設計されている。
また、ハードウェアのゲートウェイアプライアンスにはキャッシュやバッファなどのローカルストレージが含まれているので、これも問題の軽減に役立っている。これは特に、クラウドでのバックアップやアーカイブなど、一般的なユースケースで有益だ。ローカルキャッシュがあると、バックアップ処理やオンラインデータへのアクセスが加速する。
クラウドストレージのゲートウェイは少しずつ進化し続けている。その進化の中で際立っている特徴と、このアプライアンスのケイパビリティーや使用目的の段階的な変化を以下で説明する。
これは最も一般的なモデルだ。ローカルにストレージアプライアンスを(物理的または仮想で)配置し、一方をLANに、もう一方をクラウドに接続する。クラウドストレージのゲートウェイは、クラウドストレージとサーバの間に接続する。サーバはクラウドストレージをiSCSIブロックベースのLUNまたはCIFSファイルサーバのボリュームとして認識する。また、この種のアプライアンスはローカルストレージも内蔵している。その目的は、使用頻度が高いデータをキャッシュとして配置しておくためか、パフォーマンスやセキュリティなどの理由により、ある一定量のデータをプライマリーのストレージティア(層)として利用するためだ。
クラウドコントローラーは、ゲートウェイとしての役割だけではなく、従来のエンタープライズ向けストレージアレイに実装していたサービスも提供することを目指している。ただ従来のストレージアレイと違い、データはクラウドに格納される。アプライアンスに追加される機能としては、データの重複排除、圧縮、暗号化、クラウドベースのクローン作成、スナップショット取得などが挙げられる。
コントローラーからさらにステップアップして、クラウドとローカルストレージの高度な統合を実現する製品も登場している。
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