狙いは仮想通貨の投資家
macOSを標的とした新手のマルウェア「OSX.Dummy」、Slackで狙われる?
macOSとチャットプラットフォームを通じて仮想通貨の投資家を狙う新手のマルウェアが見つかった。この「OSX.Dummy」の仕組みと、ユーザーが攻撃を検出するための対策を紹介する。
チャットプラットフォームの「Slack」と「Discord」上で仮想通貨の投資家を狙う新手のマルウェアを、研究者が発見した。「OSX.Dummy」と命名されたこのマルウェアはどのような仕組みを持つのか。ユーザーが攻撃を検出するにはどうすればいいのか。
「間抜け(dumb)」だが意外に侮れない
ユーザーが受信する電子メールについては、潜在的なスパムやフィッシングが個々にチェックされるようになってきた。だが全ての通信手段がそうなったわけではない。上級ユーザーであればそうした脅威を回避できるかもしれないが、常にそうとは限らず、知らない相手から届いた実行可能ファイルを信頼してしまうこともある。
そうした行動は、新たに報告されたmacOSマルウェア「OSX.Dummy」によって危険にさらされる恐れがある。このマルウェアは、オランダのセキュリティ研究者でISC SANSハンドラーのレムコ・バーホフ氏が最初に発見した。命名したのはDigita Securityの共同創業者で「Objective-See」というWebサイトのパブリッシャー、パトリック・ウォードル氏。命名理由はその間抜けぶりだった。
OSX.Dummyについて記したブログの中でウォードル氏は、「感染手段が間抜け」という理由に始まり、バイナリのサイズが34MBと巨大なわりに、機能は限られていて、簡単に検出できてしまうなど、このマルウェアが「間抜け(dumb)」な理由を列挙している。
ウォードル氏によると、SlackおよびDiscordのユーザーを標的とするメッセージは、管理者がユーザーに対してMacのターミナルでコマンドを実行するよう指示する内容に見せかけてある。標的とされたユーザーは、このコマンドによって悪質なバイナリーがダウンロードされ、そのコンピュータ上で実行されてマルウェアに感染する可能性が非常に大きい。感染したOSX.Dummyは、スタートアップ時に起動して、制御用サーバ(C&C)に接続する状態になる。
研究者によると、このバイナリは、マルウェアを実行するためにユーザーに対してパスワードの入力を求める。ユーザーがターミナルを介してコマンドを実行していることから、悪質なバイナリはApple Gatekeeperを迂回(うかい)する。最初に発見された当時、VirusTotalのマルウェア対策ツールではOSX.Dummyは検出されなかった。
ユーザーが自分のエンドポイントでうっかりmacOSマルウェアを実行してしまう事態を防ぐのは難しい。単なる電子メールを使ったスパムやフィッシング攻撃に限定せず、あらゆるソーシャルエンジニアリングの手口について、セキュリティ問題への認識を高める研修を行う必要がある。企業ではC&Cへのネットワーク接続を監視して、エンドポイント上でISCが指摘している特定のファイルをチェックするか、バックグラウンドで実行されているPythonスクリプトをチェックすることによって、ネットワーク上のOSX.Dummyを検出できる。
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