プロトコルの実装をテストするために利用できるファジングツールを、有料・無料とりまぜて紹介する。
VoIPの脆弱性検証ツールを紹介する3回シリーズの第2回をお届けする。このシリーズで紹介するのは攻撃ツールだが、攻撃を試行することで脆弱性を検証するという使い方ができる。前回は、パケットストリームのスニッフィングと操作を行うツールに焦点を当てた。今回は、「ファジング」と呼ばれる攻撃技術を取り上げる。
ファジングは、不正な形式のパケットを使用するストレステストの一種だ。機能プロトコルテストや堅牢性テストと呼ばれることもある。ファジングは通常、脆弱性の発見を自動化するために使われる。特定のプロトコルをターゲットとするさまざまなパケットを作成することで、バグや脆弱性を発見する仕組みだ。ファジング攻撃は、プロトコルの設計仕様の限界を試すことになる。開発者やベンダーの社内QA(品質保証)部門が、プロトコルの実装をテストするためによく利用している。
ベンダーが作成するプロトコル実装がすべて同じだと考えるのは危険だ。プロトコルソフトウェアは、リリースやバージョンによって異なる可能性がある。書籍「Hacking Exposed VoIP」の第11章に、ファジングが詳細に解説されている。
また、フィンランドのオウル大学の電気工学部では、VoIPセキュリティの問題に取り組んでおり、良い情報源となるWebサイトを運営している。このWebサイトは、具体的なシグナリングプロトコル攻撃を扱っている。もう1つの情報源として、ヘンドリック・ショルツ氏の詳細なプレゼンテーション「SIP Stack Fingerprinting and Stack Difference Attacks」(PDF)がある。これは2006 Black Hatカンファレンスで発表されたものだ。この年次セキュリティカンファレンスでは、VoIPセキュリティに関するトラックが設けられている。
以下にファジングツールのリストを示す。だが、ファジングツールを含め、VoIPコンポーネントへの攻撃を試行して脆弱性を検証するツールは、当然のことながら、不適切に使用するとVoIPの運用に問題を生じさせ、損害を招く可能性が高い。以下のリンク先のほとんどには、ツールの適切な使い方を含む解説が掲載されている。だが、そうした解説に従ったとしても、損害を避けられるとは限らない。
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