社員の支持を得られれば、ITSMの改善作業は進めやすくなる。懐疑的な人々をITILの支持者に転向させる有効な方法を紹介する。
ITIL(IT Infrastructure Library)の導入を検討している多くの企業では、ITILのガイダンスを推進しようとする支持派と、ITSM(IT Service Management)に向けて異なる方向を目指そうとする懐疑派が存在する。
このように意見が両極端に分かれるのはなぜだろうか。同じような経歴を持ち、同じ組織の中で働き、ビジネスの成功に共通の関心を抱いている人々の間に意見の相違をもたらす要因は何だろう。
著名な心理療法家で作家のギルダ・カール博士によると、個人の考え方や意見に影響を与える要因としては、過去の経験、学歴、生い立ち、性格など多数存在するという。
ITILに対する人々の意見を左右する主な要因は、過去の経験だ。成功したITILプロセスの配備に携わった人であれば、ITILがビジネス全体に与える強力な効果を目の当たりにしたはずだ。こうした人々の場合はITILプロジェクトを支持する傾向が強くなるのは明らかだ。
逆に、何年もかけてITSMを導入しようとしても成功に至らなかった経験を持つ人の場合は、ITILは苦労ばかり多く、得られるものはほとんどないと考えているかもしれない。
こうした各人の考え方が重要なのは、ITILにはプロセスや技術だけでなく人も絡んでくるからだ。実際に多くの場合、ITIL構想において持続的成果を達成する上で最大の障害となるのが人間だ。ITIL構想の成功には人々の支持が不可欠だ。すなわち、人々がプロセスの変更の必要性を受け入れる必要がある。また、ITILが会社だけでなく自分たちにもメリットをもたらすことを理解し、ITILを効果的に導入するには何が必要なのかを理解する必要もある。人々の意識にかかわる問題に効果的に対処せずにITILを導入する試みは、脚が2本しかない腰掛けに座ろうとするようなもので、転倒して大きな打撃を受けることになるだろう。
幸いなことに、懐疑的な人々をITILの支持者に転向させる有効な方法がある。ITILプロセスに対する人々の支持を獲得すれば、企業はITSMを改善するのに必要な作業を進めやすくなる。以下にその方法を示す。
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