「Oracle Business Intelligence Suite Enterprise Edition」を採用。最大のデータベースでは13億件超のデータ、総データベース容量24Tバイトと、Oracle BIEEを活用したシステムとして世界有数の大規模なシステムを構築した。
日本オラクルは6月26日、資生堂の新マーケティングシステムを構築し、6月より国内化粧品事業において全面稼働を開始したことを発表した。同システムの中核パッケージとして日本オラクルの「Oracle Business Intelligence Suite Enterprise Edition(以下、Oracle BIEE)」を採用している。
従来、資生堂では多数の個別システムの利用者単位で販売分析や市場動向把握の分析レベルを向上してきたため、業務面では分析指標が不統一、ユーザーインタフェースが異なるシステムを使うため利用者が習熟しづらいといったさまざまな問題を抱えていた。また、システム面ではサーバの乱立やデータの重複によるシステム資産の増加、開発案件の滞留やシステムリソースの使用効率低下、運用コストの増加なども課題だった。
新システムでは、資生堂の取引先約10万店の出荷およびPOS(Point Of Sale)データの情報を統合し、ユーザーが販売データをタイムリーに分析できるようになった。その結果、月次処理などを待たずに、ほぼリアルタイムでブランド軸・製品軸・地域軸・販売チャンネル軸での売り上げ・損益・在庫などの経営情報が把握可能になったという。今後、資生堂では、本システムの国内の化粧品事業以外の事業への適用と海外事業での活用を目指すとしている。
同システムの構築を請け負った新日鉄ソリューションズは、2006年末から200以上の既存システムの棚卸しを行い、新システムに再編・統合、5000人のユーザーがデータ活用できるようシステム設計を進めた。同時に、資生堂のITパートナーとしてプロジェクトマネジメントを推進し、最大のデータベースでは13億件超のデータ、総データベース容量24Tバイトと、Oracle BIEEを活用したシステムとして世界有数の大規模なシステム(発表時点、日本オラクル調べ)を無事全面稼働させることができたとしている。また、2007年8月に新日鉄ソリューションズと日本オラクルが共同で設置した統合BI(ビジネスインテリジェンス)システム構築に関する検証センター「NS Solutions & Oracle Business Intelligence Solution Center(NSOBISC)」において、プロジェクトが要求する大規模・大容量データを扱う際の性能確保のための数々の検証作業を実施した。
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