現時点では、Windows Vistaの企業ユーザーがWindows 7へアップグレードする場合の特別な優遇措置は見当たらないようだ。また、アップグレードに際してはPCのハードウェアコストも掛かることになりそうだ。
Microsoftは先ごろ、Windows 7に移行するWindows XP/Vistaユーザー企業を対象としたSoftware Assurance(SA)契約の内容を発表した。しかし、Windows Vistaを既に導入している企業に対する特別な優遇措置は見当たらないようだ。また、Windows 7への移行に当たっては、どの企業でも新たなハードウェアコストの発生が頭痛の種になりそうだ。
Microsoftの企業顧客は、2009年9月1日からボリュームライセンスパートナーを通じてWindows 7 Professionalを購入できる。Microsoftは7月中旬にニューオーリンズで開催された「Worldwide Partner Conference」において、パートナー各社がWindows 7 Professionalへのアップグレード価格を15%以上割り引く6カ月間のキャンペーンを実施するのを認める方針を明らかにした。
対象となるPC用OS(Windows Vista Business、Windows XP Professionalなど)を保有している企業は、購入時期にかかわらずキャンペーンの適用を受けることができる。これは、Windows XPユーザー企業よりも大幅な値引きがWindows Vistaユーザー企業に適用されることはないことを意味する。
米コンサルティング会社Directions on Microsoftのアナリスト、ポール・デグルート氏は、Microsoftが今後、Windows Vistaユーザーに対して新たな割引価格を設定する可能性は低いとみている。「Windows Vistaは問題が多く、大多数の企業ユーザーが同OSを導入していない。Microsoftの歴史を見れば、同社がWindows Vistaユーザーのために便宜を図る可能性は極めて低い」と同氏は指摘する。
既にMicrosoftが明らかにしている通り、既存のWindowsライセンスでSA契約を結んでいる企業ユーザーには、社内のPCにWindows 7 Enterpriseを導入する権利が自動的に与えられる。
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