クラウド移行などで複雑化するIT環境を可視化。ユーザー部門より先にIT管理者側で障害発生などを把握でき、リポート機能を利用した企業内での意思疎通も可能だという。
日本CAは2月22日、インフラストラクチャ管理製品「CA Spectrum Infrastructure Manager r9.1J(以下、Spectrum)」および「CA eHealth Performance Manager r6.1.1J(以下、eHealth)」を発表した。Spectrumは同日より、eHealthは2月26日より出荷開始される。
同社では、クラウドを含むさまざまなITインフラ環境でサービス品質を保証する「サービス・アシュアランス・マネジメント・ソリューション」を提唱しており、今回発表した2製品に既存のWebアプリケーション性能管理製品「CA wily Application Performance Management」を加えた3製品を軸として、物理/仮想の両環境で企業のシステム運用管理を支援。複雑化するIT環境を可視化し、サービス障害を事前に防止するなど、ネットワーク、サーバ、データベース、クライアント/サーバ、アプリケーションに至るまで、複数のIT製品が統合された環境の品質管理を向上するとしている。
サービス・アシュアランス・マネジメント・ソリューションの中核とされるSpectrumは、ITインフラストラクチャやサービス、ネットワークを物理/仮想環境の区別なく管理可能な障害管理製品。根本原因解析(RCA)に着目したモデルベースを実装しており、従来のイベント集約型管理と比較して障害の影響範囲分析に掛かる工数や障害発生時に起きる初動遅れ時間を短縮するという。見やすさを追求したという管理画面上では、仮想サーバやVPNに追従するインフラストラクチャを一元管理できる。サービスプロバイダー向けの機能強化として、MPLSを利用した各種IPサービスに対応するための独自機能「CA Spectrum MPLS Transport Manager」も搭載している。
eHealthは、障害の予兆管理と障害発生時の迅速な対応を可能にする性能管理製品。ユーザー部門から報告される障害発生などのクレームが来る前に、IT管理者側で問題把握ができる。性能状況を随時把握できるリポート機能を備えており、他部署への報告、問題把握の共有が可能。「運用管理者の業務を積極的に外部に発信することで、担当者のモチベーション向上にもつながり、企業内での意思疎通も円滑に進む」(ソリューション営業本部 インフラマネジメント・ソリューション営業部 テクニカル・ソリューション・グループマネージャー菊池崇宏氏)という。
なおSpectrumとeHealthにはそれぞれ、製品間の統合機能が実装されている。「2製品を統合することで、多くのシステムを抱えるデータセンター事業者や大企業は、より先進的な運用管理業務が可能になる」(菊地氏)としている。
製品価格は導入環境により異なり、例えば1000デバイスの場合ではSpectrum、eHealthともに2870万円(いずれも税別)。同社ではサービスプロバイダーやデータセンターを扱う企業、テレコム関連企業をターゲットに、今後も日本市場向けのサービス・アシュアランス・マネジメント・ソリューションを強化していく構えだ。
インフラマネジメント・ソリューション営業部 部長の川崎晃司氏は、複雑化する企業のIT環境について「アプリケーション単位でシステムの最適化が図られているため、社内の優先順位によってはアプリケーション、ネットワーク、セキュリティは従来環境のままとなっている。各コンポーネントを個別に管理するのでは、いずれ全体での大きな障害が発生する」と指摘。クラウドサービスなどの普及で選択肢が広がった分、管理が複雑化しているとした。
同社ではクラウド移行が先行する米国などで、既にサービス・アシュアランス・マネジメント・ソリューション製品群の販売実績を持つ。日本においても今後、今回初投入となったSpectrumに続き順次製品を投入していくとともに、日本CAの既存製品と連携する統合モジュールとしての提供も予定している。
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