人事業務は企業のポリシーが反映するため、パッケージの標準機能だけでは満足できる製品が少なかった。「SMILE BS 人事給与」は必要な情報を自由に設定できるという点で、パッケージの限界を超えたものになった。
大塚商会がオフコン用基幹業務システムの初代「SMILE」(SMILEα)を発売した1979年は、ソニーのウォークマン、NECのPC-8001、キヤノンのオートボーイなどが登場したエポックメイキングな年でもあった。
それから30年以上を経て、SMILEシリーズはMS-DOS版、Windows版、SQL Server対応とプラットフォームを変遷させてきたが、常にこだわってきたのはユーザー目線による使い勝手の良さである。
ノークリサーチが発表した「2009年 中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」で、年商50億円未満の中堅・中小企業を対象とした、ERP利用予定(今後導入したい・継続して利用したい)パッケージシェアで、SMILEシリーズが17.7%とトップを飾ったことは、その信念が評価された結果かもしれない。しかも、テレビや雑誌に広告を出さず、店舗販売もしない中での首位獲得は一目に値するものがある。
現在、SMILEシリーズは対象とする企業規模の大きい順から、中堅・大手企業向けERPシステム「SMILE es」、そして「SMILEαAD」の後継として登場した中堅・中小企業向け基幹業務システム「SMILE BS」というファミリー構成になっている。今回は「SMILE BS 人事給与」にスポットを当てる。
SMILE BS 人事給与は、人事管理業務から給与計算業務までをフルサポートする「スタンダードモデル」、給与機能だけに限定し価格を抑えた「ベースモデル」の2つから選択できる。過去に人事管理は独立したパッケージで提供していたが、2008年6月にSMILE BS(Best Solution)を新しくリリースするに当たり、人事と給与を組み合わせ、社員情報をシームレスに連携させたのがスタンダードモデルというわけである。
SMILE BS 人事給与のターゲット層は、上位のSMILE esと少しかぶるものの、50〜1000人規模の企業向けとなっている。スタンドアロンの最小単位からWANに至るまでのシステム構成に対応するので、成長期の中小企業でもシステム環境を柔軟に維持・継続できるよう配慮されている。
そして最大の特徴は、カスタマイズを最小限度に抑えつつ、企業文化に合った最適なシステムを自由に選択できるようにしていることだ。
人事と給与のパッケージ製品選びは、給与管理では法制度やユーザビリティ対応以外、業務は普遍的なので、いつの時代もあまり変わることはない。有休付与、労働保険年度更新、住民税額決定、年末調整などやることは定型化しており、企業の慣習や文化に左右されることも少ない。
しかし、人事は給与と違って独自の企業文化や経営者のポリシーを反映しがちな業務であるため、パッケージのコンサバティブな標準機能だけでは不満が残る。従ってカスタマイズが必要となるのだが、開発に多額のコストや時間が必要で、ビジネス要求に柔軟に対応できないというデメリットも多い。それが人事パッケージの限界であった。
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