デスクトップ仮想化による「デバイスに依存しない実行環境」と、タブレットやスマートフォンによる「モバイル化」。場所や端末に依存しない職場環境を実現するファクターはそろった。それらをどう組み合わせる?
「仮想エンタープライズ」が目指すのは、場所や端末に依存しない職場環境の提供だ。そのため、仮想エンタープライズの実現には、モビリティーの全面的なサポートが不可欠となる。スマートフォンやiPadをはじめとするタブレット端末の登場により、多くのIT部門は「未来はモバイルにあり」との明確な考えを抱くようになりつつある。モバイルプラットフォームをある程度サポートしている企業は、今や全体の70%以上を占める。また、既に11%の企業は、「エンタープライズシステムへのアクセスの手段がモバイル端末だけというユーザーがいる」と報告している。そうしたユーザーの比率は平均では2%弱だが、最も高いところでは38%に達している。
モバイル化の取り組みを成功させられるかどうかは、モビリティー戦略を明確にし、その戦略の策定時にリスク査定を行うかどうかと強い相関を持っている。検討すべき主要なリスク要因の1つは、UC(ユニファイドコミュニケーション)環境におけるモバイルプラットフォームの扱いだ。固定・携帯融合(FMC:Fixed Mobile Convergence)ソリューションを使えば、構内VoIPへのスマートフォンの統合は容易かもしれない(参考:FMC(固定と携帯の融合)の導入準備)が、この方法は、例えば韓国のSamsung製GALAXY Tabのように音声通話機能なしの端末にはあまり役に立たない。多様なプラットフォームのユーザーが、ノートPCやデスクトップPCのユーザーと同様のリッチなツール群を使えるようにするためには、どうすればいいのだろうか?
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