モバイルセキュリティに注目集まった情報セキュリティEXPO情報セキュリティEXPOリポート

IT関連の総合展示会「Japan IT Week 2011春」のうち、情報セキュリティEXPOとスマートフォン&モバイルEXPOの中から注目の展示をピックアップして紹介する。

2011年05月17日 09時00分 公開
[TechTargetジャパン]
 スマートフォン&モバイル EXPO、13日(金)会場の様子 スマートフォン&モバイル EXPO、5月13日(金)会場の様子。展示会の中でもセキュリティ対策ゾーンのみ独立して設けられていた

 5月11〜13日の3日間、東京ビッグサイトで「第8回情報セキュリティEXPO」が開催された。本稿では、同展示会と併設で開催された「第1回スマートフォン&モバイル EXPO」の内容も交えながら、モバイルセキュリティ関連の展示を紹介する。

6つの視点で企業の端末を徹底管理

 マカフィーは、4月1日に提供を開始したモバイルデバイス管理ソリューション「McAfee Enterprise Mobility Management」を展示していた。同製品は、「プロビジョニング」「認証」「セキュリティポリシー管理」「コンプライアンス」「IT部門のオペレーションサポート」「アプリケーション管理」という6つのサイクルにわたり、企業において各種モバイル端末を一元管理する製品だ。

 iPhoneやAndroid携帯などのスマートフォンを企業で利用する際に懸念される端末の紛失対策の他、メールやアドレス帳の同期、ログ管理(コンプライアンス対策)が可能となる。紛失対策としては、管理コンソールで端末のリモートワイプ(遠隔で端末データの削除)やロック、一部機能の利用制限ができる。

 同社製品の特徴はiOS、Android、Windows Mobile、Symbianを搭載する各種モバイル端末を専用の管理コンソール「McAfee ePolicy Orchestrator」(ePO)で統合管理できる点だ。こうした製品は、MDM(モバイルデバイスマネジメント)と呼ばれ、企業がモバイル端末を導入する際に自社のセキュリティポリシー下で各種ユーザーの端末を一元管理できるメリットがある。

端末と資産管理を一元化

専用ポータル 一元管理を行う専用ポータル《クリックで拡大》

 シマンテックも、MDM製品「Symantec Mobile Management」を参考出展した。iPhone、iPadに対応し、ポリシー管理、認証/アクセス制御、端末内の情報保護、端末利用状況の可視化を可能とする製品だ。ポリシー管理については、企業ユーザーの利用端末を全て管理下に置くことで、利用するアプリケーションの配布(専用のマーケットを提供可能)やカメラ、Wi-Fiなどの機能の利用制限が可能となる。

 情報保護の部分では、マルウェア対策、ファイアウォール、暗号化(電子メール暗号化)、DLP(情報漏えい防止)など、同社のセキュリティ技術が応用される。今後は、Androidなどの各種端末にも対応していく予定だ。

 なお、日本ベリサインもスマートフォン&モバイル EXPOで、4月にアイキューブドシステムズ(i3-Systems)と共同で提供開始したMDM製品「ベリサインMDM powered by CLOMO」を出展した。同製品は、ベリサインの電子証明書とi3-SystemsのiOS/Android端末向けMDMを融合したもので、「セキュリティ設定の遠隔制御」「パスコード削除」「リモートロック・ワイプ」「VPN設定」を専用ポータル上で実現する。

低コストから開始できるクラウド型スマートフォン管理サービス

 富士通ビー・エス・シーは、各種端末の紛失対策や遠隔からの管理を可能とするサービス「FENCE-Mobile RemoteManager」を出展した。同社は、スマートフォン&モバイル EXPOでひときわ大きなブースを構え、ノートPCやスマートフォンといったモバイル端末向けソリューションを複数展示した。

 FENCE-Mobile RemoteManagerは、Android(OS 2.1以上)に対応した管理サービスだ。Androidマーケットや管理サーバから専用エージェントをクライアント端末にインストールすることで、リモートロック・ワイプや、カメラBluetooth、アプリなどの機能制限、端末利用状況の一元管理ができる。

 初期費用なし、月額315円(1端末当たり)から開始でき、30日間利用可能な無料トライアル版も用意している。今後は、2011年夏をめどにiOS端末に対応予定。2011年秋以降には、位置情報の取得、URL利用制限などの機能を追加予定だという。

 コムチュアマーケティングブースの様子 トレンドマイクロブースの様子 コムチュアマーケティングブースの様子(左)。トレンドマイクロブース(右)では来場者の質問にホワイトボードを用いて回答する様子も見られた

 2011年の情報セキュリティEXPOは、モバイル関連の製品に注目が集まっていた印象だ。コムチュアマーケティングのブースに出展したコネクトワンのiOS、Android端末向け紛失対策製品などは、向かいのNTTドコモブースと共に多くの人だかりを集めていた。

@ITとTechTargetジャパンの連動企画「第8回 情報セキュリティEXPO&Interop Tokyo 2011特集」も実施中。ぜひご活用いただきたい。

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