コンシューマー化が進む企業ITとその加速要因とされるクラウド、スマートフォンなどの新技術。シマンテックはこの新しいIT環境に対する情報中心型の保護・管理を提唱する。
シマンテックは、2011年5月11〜13日に東京ビッグサイトで開催される第8回情報セキュリティEXPOに出展する。同社としては久々となる外部大型展示会への参加だ。
「今回の出展には、2010年10月に一新したロゴマークが大きく関係している」と同社執行役員 本部長 マーケティング本部の石崎健一郎氏は出展の目的を語る。新ロゴマークは、同年に買収したベリサインのチェックマークと同社の社名を組み合わせたデザインが特徴だが、そこには同社が以前から掲げてきた“情報中心”型戦略の意図が込められている。情報セキュリティEXPOでも、この戦略に基づいたブース展開を行うという。
クラウドコンピューティングの活用やスマートフォン、タブレットなど利用端末の多様化により、企業のIT環境とそれに伴うセキュリティの在り方は大きく変わろうとしている。この転換期にシマンテックが提唱するのが、従来のデバイス単位で考える保護ではなく、情報に着目してデータを守る、というコンセプトだ。それを実現するものとして、同社はベリサインの認証技術やアンチウイルス、暗号化、情報漏えい防止、モバイル保護・管理、クラウド型セキュリティなどの複数製品を持っている。「この幅広いラインアップを展示会では全て見せる」(石崎氏)
当日は「情報を守る――どこにあっても、どんなカタチでも」をキャッチコピーに大きく以下3つのコーナーを展開する。各種製品を個別に解説するというよりは、情報中心型の保護のコンセプトに基づき、必要となるセキュリティコンポーネントを紹介する方法を取るという。
情報中心の保護を実現する際のセキュリティ基盤を構築する手法として、エンドポイントセキュリティ、情報漏えい防止(DLP:Data Loss Prevention)、暗号化製品などを紹介する。同社では各種セキュリティ製品をプラットフォーム化して提供することで、企業が必要な機能を利用できるようにしている。
中でも今回の注目が、近日中に提供を開始するエンドポイントセキュリティ製品の最新版「Symantec Endpoint Protection 12」(SEP 12)だ。SEP 12はレピュテーションを利用する「Insight」機能を搭載したことでWeb脅威、未知の脅威に対する防御力をより強化している。また、この技術を応用しシステムへの負荷を軽減することで製品自体の仮想マシン、物理マシン双方において、高いパフォーマンスを実現したという。展示会では、SEP 12のデモンストレーションも披露する。
現在、スマートフォンを利用して企業システムにアクセスをするユーザーの多くが個人所有(私物)の端末からそれらの動作を行っている現状が多くみられる。会社支給のノートPCでは管理できていたことが、スマートフォンになったとたんに管理外となっている状況だ。企業の重要データがパブリックな場所に置かれるだけでなく、アクセス元も従来とは大きく異なる。
同社ではiOS、Android端末向けに管理者側で制御(利用権限などを設定)したアプリケーションを送付し、企業ユーザーの端末を一元管理可能とするモバイルマネジメント製品を提供しており、情報セキュリティEXPOでも利用イメージと共に紹介する。同製品を利用することで「スマートフォンやタブレットをデスクトップPCと同様のポリシーで企業のITシステムの中に取り込むことが可能となる」(シマンテック プロダクトマーケティング部 プロダクトマーケティングマネージャ 広瀬 努氏)としている。
「シマンテック ホステッドサービス」から「Symantec.Cloud(シマンテック ドットクラウド)」へ名称変更したクラウド型のセキュリティサービス群を紹介する。Symantec.Cloudは、メールセキュリティ、Webセキュリティの機能をSaaS(Software as a Service)で提供するサービスだ。企業規模を問わず全世界で豊富な導入実績があり、運用を含めたTCO削減効果に自信を持つ。
このように同社は、クラウドやスマートフォンなどの普及で大きな転換期を迎えるIT環境に向けて(1)変化の認識と(2)情報中心型の保護の考え方、そしてその(3)実現方法を提唱する。「端末からの情報漏えい防止やリモート管理など、あらゆる観点からシマンテックが考えるセキュリティのあるべき姿を紹介する。もちろんどこから手を付けて良いのか、そういった疑問にもシマンテックはくまなく回答できる。ブース内のシアターや展示会場で、ぜひお客さまと一緒に考え、何かのヒントが提供できればうれしい」(シマンテック フィールドマーケティング部 マーケティングスペシャリスト 木村泰介氏)
なお当日は、インテルのブースにて2011年2月にシマンテックとエヌ・ティ・ティ・ドコモ(NTTドコモ)が共同発表したSMS経由でPCをリモートロックできるソリューションも展示予定だ。同ソリューションはインテルの「インテル アンチセフト・テクノロジー」対応のノートPCで実現するもので、遠隔からPCの起動をロックし、暗号化したHDDへのアクセスを無効化できる。
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