Red Hatは2011年末までにRHEV 3.0の管理プラットフォームを一新する。Windows以外でも管理が可能になる他、多彩なオプション管理機能も提供する。
Red Hat Enterprise Virtualization(RHEV) 3.0は、多数の新しい管理オプションを提供する。この最新版RHEVでは、Windows Serverが不要になるからだ。
RHEV 3.0の管理はWebブラウザベースであるため、ユーザーは任意のプラットフォームでこの仮想化ソフトウェアを管理できる。米Red HatはRHEV 3.0で100%オープンソースの環境を推進しようとしており、この機能の提供はその一環だ。RHEVの管理サーバ(RHEV-M)では、仮想マシン(VM)ストレージリポートを表示したり、VMを簡単にインポートしたりできる新機能が提供される。
Red Hatは、2011年5月に開催したRed Hat SummitでRHEV 3.0の詳細を発表した。このため、RHEV 3.0が2011年末にリリースされるまでに、その機能には調整が加えられるかもしれない。
RHEV 3.0の新しいアーキテクチャでは、Javaスタックが、RHEVホストとRed Hat Enterprise Linux 6サーバを管理するlibvirtと通信する。RHEV 3.0はJavaとlibvirtをベースにしているため、libvirtライブラリと通信できる全てのJavaツールでRHEVを管理できる。RHEV-Mは、標準のWebベースクライアントから全ての新機能を利用できる。
RHEV 3.0では、基盤のプラットフォームだけでなく、管理インタフェースも大幅に変更される。特に、ストレージ情報とVM情報は、より完全な新しいツリービューに再整理される。このビューは包括的であり、管理者にとって、VMやホスト、使用可能なストレージに関するリポートを見つけやすい。
RHEV 3.0では、これらの他にも機能強化が施される。例えば、新しいAPIによってコマンドライン操作が可能になる。HTTPライクなインタフェースも用意され、システム管理者はHTMLに似た言語を使って、タスクをスクリプト化できるようになる。このインタフェースの詳細はまだ明らかにされていないが、ユーザーはHTMLライクなスクリプト言語を使って、バックグラウンドでVMを簡単にインポートできるようになる。
また、Red HatはRHEV-Mで、テンプレートを使ってVMを簡単にインポートする方法に取り組んでいる。以下に例を示す。
curl -v -u "vdcadmin@rhev.example.com"
-H "Content-type: application/xml"
-d '
<vm>
<name>new_vm</name>
<cluster><name>web_cluster</name></cluster>
<template><name>apache_template</name></template>
</vm>'
'http://10.35.1.1/rhevm-api/vms'
これは、VMをインポートするXML風の方法だ。VMのインポートは、rhevshコマンドでも行える。
rhevsh create vm --name new_vm --cluster web_cluster --template apache_template
RHEV 3.0では、これら以外にも興味深い管理機能が用意される。その1つとして、ローカルストレージにVMイメージファイルを保存するオプションがある。この機能は、ホストが1台で、SANを導入する予算がない小規模な環境で便利だ。
また、新しいマルチレベル管理機能では、さまざまなレベルの管理者ユーザーを定義できる。例えば、クラスタ全体あるいは1台のホストのみの管理パーミッションを持つアカウントをセットアップすることが可能だ。
RHEV 3.0は、さらなる詳細が今後明らかになるだろうが、これまでの情報では最大の変更点は管理プラットフォームだ。Red HatはWindowsを不要にし、多くの新機能によってRHEV-Mのオープンソース化を進め、柔軟性を高め、競争力を強化している。
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