VMware製品で統一するか? サードパーティー製品を使うか?
VMwareの仮想化管理ツールの多様なラインアップに戸惑うユーザー
VMwareが非常に多くのツールをラインアップしているため、リセラーですら混乱している。
米VMwareのユーザーやパートナー、業界専門家は、同社の仮想化管理ツールについて、より明確な製品展開を求めている。
市場で提供される仮想データセンター管理ツールはこのところますます増えており、仮想化の専門家にとっても、それらを整理して取捨選択するのは、言うはやすく、行うは難しだ。VMwareの新製品と競合他社の新製品とを比べる場合も、VMwareの既存ポートフォリオの製品とを比べる場合も、事情は同じだ。
イスラエルのあるハイテク企業の仮想インフラ管理者、マイシュ・サイデルキーシング氏は、VMwareのキャパシティープランニング製品「VMware vCenter CapacityIQ」をテストしている。400台の仮想マシンが稼働する同社の環境での利用を検討するためだ。
だが、サイデルキーシング氏は、VMwareが提供するさまざまな監視・管理製品の今後の方向性も知りたいと語る。同氏は特に、VMware vCenter CapacityIQ、「VMware vCenter AppSpeed」「VMware vCenter Configuration Manager(VCM)」、新しい「Alive VM」の機能重複が気になっているという。Alive VMは、VMwareが最近買収したIntegrienの技術に基づく製品だ。
「これらは最終的に、1つの製品に統合されるのではないか」とサイデルキーシング氏。「アプリケーション監視、キャパシティープランニング、インフラ分析といった機能をそれぞれモジュールとして提供する、1つの製品が登場するかもしれない」
VMwareのあるVAR(付加価値リセラー)は、VMwareは比較的新しいツールを非常に多くラインアップしているため、営業担当者や顧客の間で混乱が生じていると指摘した。営業担当者は、「VMware vCloud Director」やAlive VM、VMware vCenter CapacityIQ新版、VMware vCenter AppSpeed、「Hyperic」「Ionix」スイート(VMwareが2009年に親会社EMCから買収)に加えて、「VMware vShield Edge」「VMware vShield Zones」「VMware vCenter Application Discovery Manager」についてよく把握しなければならない。
「VMware製品は、売るのが大変になってきている」(同氏)
VMware製品で統一したいというユーザーも
ユーザーは、VMwareが仮想データセンター管理製品を強化し、物理インフラ要素とより緊密に統合することを求めている。
政府契約業者の米MacAulay Brownで主席システムエンジニアを務めるデレク・シーマン氏は、将来的にVMware vCenterによって物理ストレージディスクアレイの詳細な統計データ収集とプロビジョニングが行えるようになること(これは、2011年初めに一連の新しいVMware vStorage APIによって可能になるとみられている)や、VMwareのハイパーバイザーと物理ストレージアレイ、仮想マシンOSがより密接に統合されることを期待している。
「VMwareに一番実現してほしいことは、VMDK(Virtual Machine Disk)ファイル内のデータが削除されたときに、自動的に物理ディスクアレイで容量が解放され、再利用されることだ」(シーマン氏)
一方、仮想化管理の分野では、VMwareのライバル企業の進出が相次いでおり、同社は製品統合の在り方とロードマップを整理し、対応を進めている。製品開発で先行するVMwareを他社が追いかけているハイパーバイザー市場とはほぼ逆の構図だ。
アリゾナ州メサ市のITアーキテクト、アダム・ボーム氏は、米Akorriのツール「BalancePoint」を評価、検討している。このツールは物理インフラと仮想インフラについて、イベントの相関関係分析を含むリポートを提供する。「Akorriのツールでは、『これらの仮想サーバがこれらのデータストアの利用で競合している』といったことが分かる」とボーム氏。同氏は、VMwareの新しい仮想化管理製品は、少なくともこのツールに匹敵するものにならなければならないと語った。
だが、こうしたツールに対抗するVMwareの管理製品を使うことにあくまでこだわるというユーザーもいる。購入やライセンシング、サポートの利用をできるだけシンプルな形にしておきたいと考えるからだ。「方程式の変数が1つ減るのは良いことだ」と、ある輸送資産管理会社のインフラディレクター、ロブ・ゼリンカ氏は語った。
VMware幹部が今後の展開を示唆
VMwareの製品マーケティング担当グループマネジャー、マーティン・クラウス氏は2010年12月、取材に対して電子メールで回答し、VMwareが管理製品ポートフォリオをどのように分類しているか、それらの製品の今後の全体的な方向性はどのようなものかについて、ヒントを提供した。
「HypericやVMware vCenter AppSpeed、VMware vCenter CapacityIQは、それぞれ対象環境の特定の側面に関するデータを収集するための専用ツールであることを理解することが重要だ」とクラウス氏は書いている。「目的に応じて、あるものはアダプターを使い、あるものはパケット分析を利用するといった具合だ。また、Integrienツールは現状ではアプリケーションやインフラを自身で監視するのではなく、監視ツールから提供されるデータを処理する機能を果たす」
「今後、機能的な観点からのVMware製品間の統合が進む他、サードパーティー監視ツールに対応するアダプターが増えるだろう。またその一方で、さまざまな市場セグメント向けに多くのパッケージが用意されることになるだろう」と、クラウス氏は付け加えている。
VMwareの計画がどのようなものであれ、重複する機能を持つツールそれぞれが、どのような異なるユースケースを想定しているかを見極めるのは、ユーザーにとって依然として「至難の業」だろうと米Virtualization Practiceのアナリスト、バーンド・ハーゾグ氏は語った。仮想化管理ツールでは、トラブルシューティングのために結論や提案を導き出す方法の違い、特に、根本原因分析における決定論的な方法と統計的な方法の違いが重要だが、この違いは見過ごされがちだと、同氏は指摘した。
VMware vCenter CapacityIQのような製品で利用されている決定論的な根本原因分析では、「間違いなく正しい」解決策が得られるが、この分析が有効なのは、メモリ不足によるSQLサーバの性能低下など、少数の明白な問題に限られると、ハーゾグ氏は説明した。
これに対し、Alive VMのような製品で利用されている統計的な根本原因分析では、この分析方法でなければ原因究明が難航するような問題について、「恐らく正しい」解決策が得られると、ハーゾグ氏は述べた。必ずしもどちらかのアプローチが優れているというわけではなく、データセンターごとに適切な仮想化管理ツールを選択することが重要になると、ハーゾグ氏は語った。
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