VMware vSphere 4の価値を最大化する管理ツール「vSphere Client/vCenter Server」運用管理ツールから見るサーバ仮想化製品【第2回】

サーバ仮想化の代表的な製品であるヴイエムウェアの仮想化統合パッケージVMware vSphere 4について、運用管理製品vCenterを中心に紹介する。

2010年05月24日 08時00分 公開
[宮原 徹,日本仮想化技術]

VMware製品群を製品とオプション機能で整理しよう

 ヴイエムウェアの製品は多岐にわたるため、名称と内容が正しく理解されていないことが多い。これは「VMware vSphere 4」(以下、vSphere 4)のような複数の製品から構成されるソリューションパッケージの名称と、「VMware ESX」「VMware ESXi」「VMware Server」などソフトウェアの製品名、そしてVMotionのようなオプション機能の名称などが入り交じっているからだ。まず、これらの名称について整理しておこう。

VMware ESXとVMware ESXi

 VMwareの仮想マシンソフトウェア製品は、大きく分けてハイパーバイザー型のVMware ESX/VMware ESXiと、ホストOS型のVMware Server、VMware Workstation、VMware Playerに分けられる。ここではハイパーバイザー型製品について解説する。

 VMware ESXとVMware ESXiは、いずれも同じvmkernelというハイパーバイザーをベースにしているので基本的な機能は同じである。両者の違いは、サービスコンソールと呼ばれる管理用のOS環境を利用できるかどうかだ。

  • VMware ESX

ローカルHDDやSANストレージなどへのインストールが必要。サービスコンソールへのログインや、バックアップツールなどのソフトウェアの追加インストールなどができる。

  • VMware ESXi

ローカルHDDだけでなく、USBメモリやSDカードなどにもインストールできるので、ディスクレス環境を構築できる。サービスコンソールが存在しないので、ソフトウェアの追加などはできない。スタンドアロンで利用できる無償版が用意されている。

 両者の機能に本質的な違いはないため、以後は両者を合わせてVMware ESXと記述する。

VMware ESXの各種オプション機能

 VMware ESXは、フェイルオーバーやライブマイグレーション、動的リソース配分などさまざまな追加機能がオプションで提供されている。運用管理上重要なオプション機能を紹介する。

  • VMware HA(High Availability):フェイルオーバー機能

VMware ESXホストに障害が発生すると、そのホスト上で動作していた仮想マシンを別の物理ホスト上で再起動する。

画像 VMware HA
  • VMotion:ライブマイグレーション機能

仮想マシンを停止せずに、異なる物理ホスト上へ移動させる。

画像 VMotion
  • VMware DRS(Distributed Resource Scheduler):動的リソース配分機能

ホストの負荷状況に応じて、新規で起動する仮想マシンを最適なホスト上に配置する。また、必要に応じて稼働中の仮想マシンをライブマイグレーションで別ホストに移動させる。

 これらの機能はあらかじめVMware ESXに組み込まれているが、ライセンスによって利用できる機能は異なる。具体的には、VMware HAはStandardエディションで使用できるが、VMotionにはAdvancedエディション、VMware DRSにはEnterpriseエディション以上のライセンスが必要となる。

vSphere Clientと管理サーバvCenter Server

 VMware ESXの管理クライアントは、「vSphere Client」と呼ばれるWindowsアプリケーションだ。VMware ESXホストがスタンドアロンで動作していても、複数台動作していても、管理作業はすべてvSphere Clientで行う。

会員登録(無料)が必要です

関連ホワイトペーパー

VMware | 運用管理 | 仮想化 | フェイルオーバー


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

譁ー逹€繝帙Ρ繧、繝医�繝シ繝代�

製品資料 SB C&S株式会社

仮想化環境のモダナイゼーションを加速させる、新しい運用管理方法とは?

さまざまなメリットをもたらす仮想化環境だが、2023年にVMwareが買収されたことで、ユーザー企業は難しい判断を強いられている。そこで、コストメリットも大きい、仮想化環境のモダナイゼーションの方法について解説する。

事例 INFINIDAT JAPAN合同会社

データ利活用基盤を強化:NTTコミュニケーションズのストレージ導入事例

データ分析・利活用のニーズが高まる中、アクションのベースとなるデータも膨大な容量となり、今後も増え続けていく見通しだ。そうなると、各企業はデータ利活用基盤として、信頼性や拡張性の高いストレージを求めるようになるだろう。

製品資料 横河レンタ・リース株式会社

Windows 11への刷新はデータ移行が重荷、作業負荷を大幅に軽減する方法とは?

OSの移行には「データ移行」が付き物だが、その業務負荷の高さに悩まされているIT管理者は多いだろう。Windows 11への移行を進める前に知っておきたい、「データレスPC」の有効性や、導入で得られる“プラスα”のメリットを解説する。

事例 ニュータニックス・ジャパン合同会社

サーバ250台の移行事例、東海理化が仮想環境を刷新した理由とその効果とは?

技術や市場の変化が激しい自動車業界にあって、長年、数多くの自動車メーカーに部品を供給してきた東海理化。同社は変化に柔軟に対応するためのDX推進に当たって、これまで運用してきたレガシー仮想環境からの移行を断行する。

製品レビュー ニュータニックス・ジャパン合同会社

クラウド同士の連携と運用の課題解消、WebスケールITの基準を採用した基盤とは

ハイブリッド/マルチクラウドへ移行する企業のIT環境だが、クラウド同士の連携は複雑な上に、運用も非効率になりがちだ。そこで、この問題を解消するためのハイブリッド/マルチクラウドプラットフォームを紹介する。

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news025.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。

news014.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。