Microsoftの2大 仮想デスクトップ、「RDS」と「RDSH」のどちらを選ぶべきか判断材料は「コスト」「機能」「互換性」

Microsoftが提供する仮想デスクトップ「リモートデスクトップサービス」と「リモートデスクトップセッションホスト」の、どちらを選択すべきか。判断材料は「コスト」「機能」「互換性」の3つだ。

2016年10月18日 12時00分 公開
[Brien PoseyTechTarget]
RDSHの解説サイト(出典:日本マイクロソフト)《クリックで拡大》

 Microsoftのデスクトップまたはアプリケーションを仮想化しようとする企業にとって、主な選択肢は昔から2つあった。1つは、同社の仮想デスクトップ配信技術である「リモートデスクトップサービス」(RDS)、もう1つは「Windowsターミナルサービス」としても知られる「リモートデスクトップセッションホスト」(RDSH)だ。

 以前、RDSHは明らかにRDSより優れた選択肢だった。リリース当時のRDSは実績が少ないだけでなく、実装コストが驚くほど高いことで知られていた。だが今やRDSは現実的な選択肢となり、RDSHではなくRDSの方が適切なシナリオも少なくない。

リモートデスクトップサービス(RDS)

 RDSは技術面でようやくRDSHに追い付いた。どちらを使ってもアプリケーションとデスクトップを仮想化することは可能で、コストの差は以前ほどないだろう。

 RDSの主な利点は、デスクトップOSをベースとしているためアプリケーションの互換性が保証されることだ。また仮想デスクトップでは既存の物理デスクトップと全く同じ構成、パッチ、アプリケーションを実行できるので、物理デスクトップから非常に簡単に移行できる。

 移行が簡単なのはユーザーも同じである。IT部門は既存の物理デスクトップの外観、印象、動作と全く同じになるよう仮想デスクトップを構成できる。このためユーザーが新しく覚えることは最小限で済む。

 しかもRDSは物理デスクトップと仮想デスクトップの共存を容易にする。例えば仮想デスクトップがドメインに参加している場合、既存の物理デスクトップと同じアクセス許可とグループポリシー設定を使用することができる。既存のセキュリティポリシーは仮想デスクトップにもシームレスに適用される。

 さらに、ほとんどの企業は物理デスクトップのプロビジョニングにゴールデンイメージを使用する。そのため仮想デスクトップをプロビジョニングする際には、ゴールデンイメージも、わずかに変更されたイメージも使用できる可能性が高い。

リモートデスクトップセッションホスト(RDSH)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

新着ホワイトペーパー

製品資料 SB C&S株式会社

仮想化環境のモダナイゼーションを加速させる、新しい運用管理方法とは?

さまざまなメリットをもたらす仮想化環境だが、2023年にVMwareが買収されたことで、ユーザー企業は難しい判断を強いられている。そこで、コストメリットも大きい、仮想化環境のモダナイゼーションの方法について解説する。

事例 INFINIDAT JAPAN合同会社

データ利活用基盤を強化:NTTコミュニケーションズのストレージ導入事例

データ分析・利活用のニーズが高まる中、アクションのベースとなるデータも膨大な容量となり、今後も増え続けていく見通しだ。そうなると、各企業はデータ利活用基盤として、信頼性や拡張性の高いストレージを求めるようになるだろう。

製品資料 横河レンタ・リース株式会社

Windows 11への刷新はデータ移行が重荷、作業負荷を大幅に軽減する方法とは?

OSの移行には「データ移行」が付き物だが、その業務負荷の高さに悩まされているIT管理者は多いだろう。Windows 11への移行を進める前に知っておきたい、「データレスPC」の有効性や、導入で得られる“プラスα”のメリットを解説する。

事例 ニュータニックス・ジャパン合同会社

サーバ250台の移行事例、東海理化が仮想環境を刷新した理由とその効果とは?

技術や市場の変化が激しい自動車業界にあって、長年、数多くの自動車メーカーに部品を供給してきた東海理化。同社は変化に柔軟に対応するためのDX推進に当たって、これまで運用してきたレガシー仮想環境からの移行を断行する。

製品レビュー ニュータニックス・ジャパン合同会社

クラウド同士の連携と運用の課題解消、WebスケールITの基準を採用した基盤とは

ハイブリッド/マルチクラウドへ移行する企業のIT環境だが、クラウド同士の連携は複雑な上に、運用も非効率になりがちだ。そこで、この問題を解消するためのハイブリッド/マルチクラウドプラットフォームを紹介する。

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news026.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...

news130.jpg

Cookieを超える「マルチリターゲティング」 広告効果に及ぼす影響は?
Cookieレスの課題解決の鍵となる「マルチリターゲティング」を題材に、AI技術によるROI向...