「Microsoft Office」のライセンスを「Amazon WorkSpaces」に持ち込んで利用できるようにする――。MicrosoftとAWSによるこの決定は、実はある意味で“画期的”だという。どういうことなのか。
Microsoftは同社のオフィススイート「Microsoft Office」の一部ライセンスを、競合ベンダーであるAmazon Web Services(AWS)のDaaS(Desktop as a Service)「Amazon WorkSpaces」に持ち込んで利用できるようにした。この決断は、MicrosoftがMicrosoft Officeのライセンスに対して適用してきた“ある制約”を自ら覆したことになる。
2023年8月、サブスクリプション形式のMicrosoft製品/サービス群「Microsoft 365」の対象プランのライセンスを保有するユーザー企業は、以下のMicrosoft OfficeアプリケーションをAmazon WorkSpacesで利用できるようになった。
従来、これらのMicrosoft OfficeアプリケーションをAmazon WorkSpacesで利用するには、基本的にはAWSが提供する有償オプション(アプリケーションバンドル)を契約する必要があった。Amazon WorkSpacesへのライセンス持ち込みが可能になったMicrosoft 365のプランは、
などだ。
2019年10月にMicrosoftが、Microsoft Officeなどの同社ソフトウェアのライセンスに設けた制約は、DaaSベンダーとユーザー企業の双方にとって不満の種となってきた。競合を含む主要ベンダーのクラウドサービスに対して、Microsoftソフトウェアのオンプレミスデバイス向けライセンスの持ち込みを制限する制約だ。Microsoftは今回の変更で、こうした制約を事実上、一部解除したことになる。
第2回は、Microsoftが自社ソフトウェアのライセンスに課した制約の内容を詳しく説明する。
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