仮想化管理ツールの開発に関しては、仮想化ベンダーよりもサードパーティーベンダーの方が得意だ。前編では、サードパーティー製品を中心に仮想化管理ツールトップ10(順不同)から5つを紹介する。
米Citrix Systems、米Microsoft、米VMwareなどの仮想化ベンダーは優れたハイパーバイザーを提供しているが、多くの場合、極めて堅固な仮想化管理ツールは提供していない。
最近まで、VMwareなどのベンダーは中核製品の開発に力を注いでいた。このため、サードパーティーベンダーが既存ツールの管理や使い勝手の不備に対処する形で新しい仮想化管理ツールを開発する余地があった。
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現在、多くのサードパーティーベンダーが、このチャンスを生かして機能豊富なアプリケーションを提供している。こうしたアプリケーションは、仮想化ベンダーから提供される基本的なツールよりも強力であり、セキュリティ、監視、リポート、バックアップ、自動化といった機能を備えている。優れた仮想化管理ツールの多くは高価だが、仮想環境の管理を容易にする安価な、あるいは無料のツールも多数出回っている。
サードパーティーベンダーの1つの大きなよりどころは、仮想化ベンダーが開発、提供するAPIとソフトウェア開発キット(SDK)だ。サードパーティーベンダーはこれらを利用して、仮想ホストや仮想マシン(VM)など、仮想環境のコンポーネントと直接連係する機能を実現できる。仮想化ベンダーの中でもVMwareは特に、さまざまな分野で多くのAPI、SDK、ツールキットを用意し、ベンダーがアプリケーション開発に利用できるようにしている。例えば、vStorage APIでは、ストレージやバックアップのための連係機能を、VMsafe APIでは、セキュリティやネットワーキングのための連係機能を実現できる。WMI APIなど、限られたAPIしか用意していないMicrosoftのような仮想化ベンダーもあるが、仮想化ベンダーは皆、製品の成熟化が進む中で、APIの追加を続けている。
しかし、仮想化ベンダーは、サードパーティーベンダーがアプリケーションを開発するためのツールとサポートを一貫して提供してきたものの、今ではサードパーティーベンダーと競合し始めている。これまでサードパーティーベンダーが手掛けてきた仮想化管理機能の一部を自社の中核製品に搭載するようになってきたからだ。
例えば、VMware用のバックアップツールを提供するサードパーティーベンダーは、VMwareのVMware Data Recoveryという製品に立ち向かわなければならなくなっている。セキュリティツールを開発してきたサードパーティーベンダーも、VMware vShield Zonesに対抗しなければならない。これは、VMwareがサードパーティーベンダーを買収して獲得した製品だ。
しかし、ほとんどの場合、仮想化管理ツールの開発に関しては、仮想化ベンダーよりもサードパーティーベンダーの方が得意としている。このため、仮想化管理ツールを探すときには、サードパーティーツールをチェックするのが最も賢明だ。実際、サードパーティーツールの方が仮想化ベンダーのツールよりも機能が充実していることが多い。
では、仮想環境でデータセンター管理者に必須となる仮想化管理ツールのトップ10(順不同)を紹介しよう。今回の前編では、このうち5つを取り上げる。
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