Hyper-VのDynamic MemoryがVMwareのメモリオーバーコミットと異なる点には、物理的に使用可能な量よりも多くのメモリを割り当てないことなどがある。これらのメリットを確認すべく、Dynamic Memoryを利用するための要件を見てみよう。
米MicrosoftはHyper-VのDynamic Memory機能により、仮想化における長年の問題の1つを解決しようとしている。それは、「仮想マシン(VM)にいかに効率的にメモリを割り当てるか」という問題だ。仮想マシンに必要なメモリ量は常に一定ではないところにこの問題の難しさがある。
メモリは依然として、真っ先に枯渇しやすい重要なリソースだ。このため、メモリが少ない場合、VMの集約率が低くなる。また、アプリケーションオーナーは管理者に、アプリケーションにできるだけ多くのメモリを割り当ててほしいと要求しがちだ。そのように割り当てる必要がない場合でもだ。
ユーザーが大量のメモリを用意し、VMが必要なときに必要なだけオンデマンドでそれを使えるようにできれば理想的だろう。しかし、Hyper-Vでは、以前はそうすることができなかった。電源投入時にVMに4Gバイトのメモリを割り当てると、それだけのメモリ量が必要かどうかにかかわらず、VMは4Gバイトのメモリを確保し、電源を切られるまでHyper-Vに返さなかった。そのために必然的に、Hyper-VではVM集約率が競合製品よりも低くなり、メモリの効率的な割り当ては困難だった。
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