ビッグデータの高速処理基盤として注目されているカラム型データベース。代表製品は近年大手ベンダーが買収した製品が目立つ。カラム型データベースの特徴と、どのような場合に利用が適しているかを解説する。
一般的なリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)は、もともと業務系アプリケーションの構築を想定して機能を進化させてきたが、1990年ごろから情報系アプリケーション、すなわちデータウェアハウス(DWH)の構築にも利用されるようになる。それに伴い、DWH構築に必要な機能、つまり、スタースキーマで実装されたデータベースの検索性能を向上させる機能も積極的に強化されるようになった。
このようなDWH向けに実装された機能の代表的なものに、ファクトテーブルを分割してスキャンできるパーティション機能や、特定の列に沿って集約したテーブルを自動的にメンテナンスするサマリーテーブル機能などがある。しかし、DWHにおいて頻繁に発生する全件検索のような処理は大量のディスクI/O処理を必要とするため、RDBMSでDWHを構築する際の一番のボトルネックとなっていた。
このようなDWH特有の問題を解決するために登場したのが「カラム型データベース」である。一般的なRDBMSではディスクへのデータ格納が行単位で行われるのに対して、カラム型データベースでは列(カラム)単位で行われる。カラム型データベースは、カラム(列)指向データベース、カラムストア型データベース、カラムナデータベースなどと呼ばれることもある。
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