企業導入が増えているSSD。その製品や提供ベンダーが増えているが、その使用法を誤るとメリットを得にくい場合もあるという。自社に最適なSSD製品を選択するためのコツを紹介する。
ソリッドステートライブ(SSD)の導入でDIY(Do It Yourself)方式を選択する企業が増えている。前回の「SSD導入では『ウェアレベリング』と『データの整合性』に注意すべし」に続き、エンタープライズ環境でのSSD導入に際してDIY方式で臨むべきかどうかを判断する上で考慮すべきポイントを紹介しよう(関連記事:約70%の企業がSSD採用を進めている理由)。
SSDストレージには幾つかのフォームファクターが存在するが、HDDスロットやPCIeバスに直接接続されるPCI Express(PCIe)フラッシュカードに装着するSAS、あるいはSATAベースのSSDを選択するのが一般的だ。
直接接続するPCIeカードの主な利点の1つに、従来のストレージプロトコルに伴うオーバーヘッドがないために遅延が少ないことが挙げられる。しかし米Dragon Slayer Consultingのマーク・ステイマー社長によると、「DIYユーザーにとっては、HDDと同じフォームファクターでSASベースのSSDよりもPCIeカードの方が高いスキルを必要とする可能性がある」という。
「HDDフォームファクターのSSDは、PCIe型よりもはるかにリスクが少ない。システム内蔵のSASコントローラーに接続するからだ」とステイマー氏は話す。ただし、SASコントローラー自体の制限があるのでパフォーマンスは劣るという。
有名メーカー製のハイエンドアレイは、市販のSSDを組み込むのに適しているとはいえない。保証対象外のドライブを搭載することで保証が利かなくなったり、システムの動作に悪影響が出る恐れがあるからだ。
「DIY方式でいくのであれば、デスクトップ、ノートブック、そしてサーバの順にSSDを導入するとよい」とステイマー氏はアドバイスする。JBOD(“Just a Bunch Of Disks”― シャーシ内の複数のディスクをサーバに接続した構成)も有力候補だという。「ストレージアレイはあまり適していない。有名ブランドの製品は、ケースを開けると保証が無効になってしまう」
サーバ組み込み型SSDやPCIeフラッシュカードを複数のサーバ間で共有するための製品もある。米Sanbolicのソフトウェア「Melio」や、米QLogicのホストバスアダプター(HBA)製品の「Mt. Rainier」などだ。だが、こういった製品はDIY派にとって追加出費を意味する。
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