ロンドンのガトウィック空港は、クラウドの導入と従業員へのBlackBerry端末の支給廃止、BYODの奨励により、大幅なコスト削減を実現した。
BYODの導入は、ガトウィック空港の従来のITインフラをクラウドベースのテクノロジーに置き換えるという、野心的な近代化プログラムにおける最後のプロジェクトだ。このプログラムを指揮したのが、CIOのマイケル・イビットソン氏である。BBCのドキュメンタリー『Inside Gatwick』の全エピソードを見てガトウィック空港の入社に備えたというイビットソン氏は、アブダビ、ムンバイ、ドーハの空港に勤務した経験があり、空港のITに関してはベテランだ。
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イビットソン氏がガトウィック空港に入社したのはわずか1年半前。同氏は既に、同空港の理事会にテクノロジーに対するアプローチを根本的に見直してもらうことに成功している。イビットソン氏が近代化戦略を理事会にプレゼンした際、ガトウィック空港の理事たちは、最初ちょっとした不安を見せたが、クラウドで実現できる内容を理解すると考えを変えた。
「その次の理事会では、役員全員が理事会の資料にクラウドを使っていた。理事たちは(戦略の)アイデアとコンセプトを完全に理解していた」とイビットソン氏は振り返る。
今から2019年末までに、ガトウィック空港は老朽化したITインフラをシンプルなインフラに整備していく予定だ。イビットソン氏は、同空港の3箇所のデータセンターのうち2つを閉鎖し、空港がサポートするソフトウェアを数百から数十に削減することを狙っている。「2013年に撤廃するアプリケーションとして40個をリストアップし、現在1つ1つ撤廃を進めている。とにかく、やり続けるだけだ」と語る。
このプロジェクトによりIT予算を節約し、その浮いた分はイビットソン氏が言う「本当の優先事項」、つまり旅行者のエクスペリエンス向上に回す。新しいデータセンターを1つお払い箱にするだけでも2000万ポンドが浮き、それを旅行者に直接役立つプロジェクトに還元できるという。
「データセンターは、旅行者の役に立っていない。単に、何台かコンピュータが部屋に置かれているというだけだ」とイビットソン氏は話す。
クラウドに移行することで、事業の状態の変化に合わせてIT要件を調節できることも重要なメリットだ。
ガトウィック空港は、米国のクラウドサービス「Box」を使って空港全体で使用する文書の多くを管理および保存している。ここに保存されるファイルには、ガトウィック空港の2つ目の滑走路プロジェクトの全文書と提出資料も含まれている。2つ目の滑走路が承認された場合、Boxなどのクラウドサービスなら、オペレーションを素早く拡張できるとイビットソン氏は話す。
「追加のコンピュータを購入する必要も、新しいデータセンターを構築する必要もない。クラウドサービスプロバイダーから提供を受けるサービスを増やせばよいだけだ」
ガトウィック空港は現在、Amazon Web Services、Windows Azure、ServiceNow、Yammerなど、さまざまなクラウドサービスプロバイダーを利用している。
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