企業にとってもクラウドストレージサービスの導入は不可避になってきた。そのリスクとメリット、Dropboxの代替について検討する。
安価で使いやすく、アクセスしやすいクラウドストレージサービスのおかげで、ユーザーの自由度と選択肢はかつてなく広がっている。
Dropboxはシンプルで使いやすいサービスの先駆けとして、企業内でも急速にユーザーを増やしてきた。Dropboxを追って同様のサービスが登場し、今では「Google Drive」「OneDrive」「Ubuntu One」などの大手も含めて多数の選択肢がある。
調査会社Gartnerの調査ディレクター、ビルディス・フィルクス氏は、クラウドストレージサービスの魅力は使いやすさとアクセスしやすさにあると話し、「従業員がDropboxやGoogle Driveを使うのは、それが使いやすく、正式に新しいインフラを申請したり予算から出費したりしなくても購入でき、IT部門を関与させずに自分の私物端末に手軽にインストールできるコンシューマー製品だからだ」と解説する。
だがIT部門は会社のデータがクラウドにアップロードされることで生じるセキュリティ問題に神経を尖らせている。特にコンプライアンスでは、データの保存場所の把握と管理が義務付けられている。しかも、コンシューマー向けサービスの多くは、企業が必要とする機能を提供していない。
StorageIOのアナリスト、グレッグ・シュルツ氏は、コンシューマー向けクラウドストレージサービスの問題は技術そのものにあるのではなく、その使われ方にあると指摘する。「セキュリティとFSS(File Sync and Share:ファイル同期と共有)は対局にある。セキュリティではアクセスを制限し、FSSでは情報へのアクセスを提供する」
企業にとってはここに葛藤が生じると話すのはGartnerのフィルクス氏。「ユーザーは簡単に使えてお金が掛からないものを望んでおり、管理やセキュリティの責任を持ちたいとは思っていない。一方でITインフラ担当者が望んでいるのはセキュアで可用性の高いシステムであり、これには事業継続や、現在のFSSソリューションをどうアップグレードするかについてのよく練られたロードマップが含まれる」
Dropbox代替製品の増加に伴い、ユーザーにとってクラウドベースのストレージサービスの自由度と選択肢はかつてなく広がっている。では組織が自社のビジネスに合った最適のサービスを選ぶにはどうすればいいのか。
Computer Weeklyはその疑問を念頭に、利用できる主なサービスについて、概要と料金、ストレージ容量をまとめた。特に明記していない限り、全サービスとも単一のフォルダを同期ポイントとして使っており、同期フォルダに変更があれば、サービス側のサーバとの間で自動的にバックグラウンド同期が行われる。
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