あなたのデータがMicrosoftに筒抜け?
「Windows 10」のデータ収集、プライバシーへの不安は取り越し苦労か?
「Windows 10」は、絶えずユーザーの情報を米Microsoftに送り出しているが、それはユーザーエクスペリエンスが実際にどの程度プライベートなものであるかという問題を提起している。
「Windows 10」が、ユーザーのほぼ全ての動向を記録し定期的に米Microsoftに情報を送り返すことに、ユーザーは不安を感じるかもしれない。
米オンラインメディア「Ars Technica」の最近のリポートによれば、Windows 10はユーザーが「Cortana」や「OneDrive」といった機能を使用するたびに、Microsoftのサーバからの要求がオフになっている場合にもMicrosoftにデータを送り返しているという。
Windows 10はBing検索のサービス向上のためにクライアント側の情報をサーバに送信することがあるとMicrosoftの広報担当者は認めている。しかし、あらゆるデータを収集しているわけではないという。「クエリまたは検索に使用されるデータは、ユーザーの選択したプライバシー設定に従い、Microsoftには送信されない。またこのルールはデバイス上のアプリやファイル、設定といったアイテムに対するオフライン検索にも適用される」
この発言は事実だ。クエリや検索が使用するデータはMicrosoftに送信されない。しかし、Web検索やCortanaが無効な場合でも、スタートメニューをクリックし「プログラムとファイルの検索」フィールドに入力することが引き金となり、WindowsはマシンIDを含む情報をMicrosoftのサーバに送り返し始めるということがArs Technicaにより判明した。Microsoftはこれ以上のコメントを拒否している。
Microsoftがプライバシールールで批判を浴びたのはこれが初めてではない。2014年3月、MicrosoftはあるブロガーのHotmailアカウントを調べ、漏えいしたWindows 8のソースコードを発見した。それはまだリリースされていなかったものだ。容疑者の逮捕後、Microsoftはそのプライバシーポリシーを変更した。
「Microsoftは、われわれから盗んだ知的または物理的財産を不正に売買したことを示す情報を受け取った場合でも、自ら顧客の個人的なコンテンツを調べることはしない。その代わり、それ以上のアクションが必要な場合、われわれは法執行機関の判断に委ねる」と、Microsoftの広報担当者は同社のブログに記載している。
Microsoftのプライバシー声明にある「弊社が収集する個人情報」と題するセクションで、同社は収集するデータのリストに電子メールやテキストメッセージ、ユーザーの連絡先の情報を含めている。また同社はパスワードやユーザー名、連絡先の情報、IPアドレス、Webサイトの閲覧履歴、検索した単語、使用したソフトウェアの機能も収集している。さらにプライバシー声明に従い、近くの携帯電話の電波塔やWi-Fiのホットスポットを確認しながら、GPSに基づくユーザーのロケーションさえ記録している。
Microsoftは同じプライバシー声明において、これらは全てユーザーのニーズにより合致したサービスを提供するために行われていると述べている。
「これに関して、政府は少し驚くかもしれない。しかしながら、ユーザーはこの機能を無効にすることができる。サーバにはIPアドレスがあり、ユーザーは自分のPCまたはネットワークのファイアウォールでそのIPアドレスをブロックすることができる。他にも多くの場所でIPアドレスをブロックできる」。技術分析会社である米Moor Insights & Strategyの社長で主席アナリストのパトリック・ムーアヘッド氏は言う。
Microsoftのプライバシー声明には、ユーザーに関するデータをサードパーティーから購入するとも記載されている。これはWindows 10に加え、Bing、Cortana、MSN、Office、OneDrive、Outlook.com、Skype、Xboxおよびその他のMicrosoftサービスにも適用される。
Microsoftに対するプライバシーの懸念をよそに、Windows 10の総数は増加し続け、今では7500万台を超えるコンピュータやタブレット、その他のデバイスがこの新しいOSを使用していることが確認されている。
もちろん、この種の情報を記録している会社はMicrosoftだけではない。米Appleの「iOS」や「OS X」、米Googleの「Google Chrome」や「Android」も同規模で情報を記録している。電子メールの送信、デジタルアシスタントへの質問、OSに搭載されている検索オプションの使用など、あらゆる種類のデータがこれらのプラットフォームにより記録され各ベンダーに送信される。
Microsoftがユーザーの情報を記録していることについて、企業は過度に懸念すべきではないとムーアヘッド氏は述べる。理由の1つは、競合するプラットフォームがプライバシーに関する条件でより良いオプションを提供しているわけではないから。2つ目は、他の幾つかの企業はこのようなデータから直接収益を上げているのに対してMicrosoftはそうではないからだ。
「OSがベンダーにコンタクトを取っているのは当たり前のことだ。しかし、企業ユーザーはこれらのベンダーがどこから収益をあげているか理解する必要もある」とムーアヘッド氏は語る。
Googleが広告から収入を得ているのに対し、Appleのビジネスはハードウェアとサービスに関心を向けており、Microsoftはサービスとソフトウェアで収益を上げているとムーアヘッド氏は述べている。Microsoftをユーザーのプライバシーにとっての脅威と見なすべきではない。なぜならMicrosoftのビジネスは、自社製品のユーザーの個人情報を得ることに頼っているわけではないからだ。
Microsoftに関わるプライバシーの懸念は誇張され過ぎだという業界ウォッチャーもいる。米Entelechy Associatesの創設者兼アナリストのシモン・ブラムフィット氏は「私自身は実際、Microsoftがしていることにそれほど問題があるとは思わない。Microsoftが収集している情報は、最近のニュースでデータセキュリティ侵害と取り沙汰されるいかなる事案よりも重要ではない。また米Amazonにおける注文履歴や米Uberの乗車履歴などの情報ほど個人の行動や目的についてさらけ出していない」と述べている。
Windows 10のプライバシー懸念はヒステリーに近いというのがブラムフィット氏の考えだ。
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